山日記 No 7
2007年度版
2007年6月30日(土)
金峰山 標高 : 2599m (山梨県の山)

【金峰山山頂にて】

【賽の河原から下山時に】

【大弛峠にて】
・今週の土曜日も晴れそうな予感がしたのだが・・・”三匹目のドジョウ”は居なかった(苦笑!)
 写真紀行
2007年6月24日(日)
山小屋にて 標高 : 約900m (長野県の山麓)

【豊科美術館にて】

【青木湖散歩】

【庭のお手入れ】
・前日の土曜日、来る時に寄った豊科近代美術館のバラを周辺散策に追加しました。
 そして、曇り空の日曜日は・・・。

2007年6月23日(土)
高ポッチ山 標高 : 1664m (長野県の山)

【高ポッチ山頂にて】

【レンゲツツジと八ヶ岳】

【諏訪湖と富士山】
・写真紀行
2007年6月23日(土)
入笠山 標高 : 1955m (長野県の山)

【入笠山山頂にて】

【レンゲツツジと八ヶ岳】

【入笠湿原にて】
・写真紀行
2007年6月16日(土)
御坂黒岳 標高 : 1793m (山梨県の山)

【黒岳山頂にて】

【展望台からの富士山】

【南アルプスの山々】
・今週、関東地方は梅雨入り宣言が出てしまった。
 先週、家内に付いて青木湖一周(約6.5Km)の散歩が出来たので今週から少し山を歩こうかと思っていた矢先なのに・・・・。
 これから雨の日々になってしまうのかとガッカリしていたら金曜日に突然予報が晴れのマークに変わった。(ラッキー)
 片道、1時間位の山で景色か花が綺麗な所をと思って甘利山が三窪高原辺りへ行くつもりで家を出て中央高速に乗ると空気が澄んでいて
 富士山も良く見えている
 急遽、行く先を御坂黒岳へ変更・・・・そこには期待通りの富士山展望が待っていてくれた。
 標高がある程度高い事もあって木々の緑も若々しく、緑の中を歩いて行くと我々までみどり色に染まってしまいそうだ。
 この時期は例年だと梅雨時で空気も湿って視界が良くないのだが・・・今日はカラッとしていて遠くの山々まで良く見えている。
 おまけに吹き抜ける風も爽やかで本当に気持ちが良い。
 リハビリにはありがたい気温と湿度に恵まれてどうにか山頂まで歩くことが出来たようだ。
 それにしても体力の衰えとは何と早いものか!確かに2週間程寝たきりで、食事もロクには摂らなかったとは言え足が萎えて重たい。
 こんなお天気の良い日ならもう少し歩きたい所だが・・・今日はこれで目一杯なので素直に下山の途についた。(苦笑)
 帰り道、近くにある"すずらんの里"に顔を出してみると、殆ど訪れる人も無くヒッソリとした園内にはまだ可憐な花達が沢山咲いていた。
 少し○○祭りをはずしてみるとこんなにも静かな散策が出来るのかとチョッと儲けた気持ちになってしまった。

 帰宅後、シャワーを浴びてベットに横になるとそのままグッスリ寝てしまい、夕食も食べずに結局翌日まで12時間も寝てしまった。
 まだ、それだけ回復していないということなのだろう。
 夏休みまでにどれだけ体力が取り戻せるか・・・家内からはテントは無理ネ!と引導を渡されているのだが・・・・・。

 


2007年6月10日(日)
山小屋にて 標高 : 約900m (長野県の山麓)

【中綱湖散策】

【朝チョット顔を出した爺ヶ岳】

【水位の下がった青木湖散策】
中綱湖青木湖散歩
2007年6月3日(日)
津久井城山  標高 : 375m  (神奈川県の山)

【津久井城山公園入口】

【山頂広場からの眺望】

【展望デッキから城山をバックに】
・リハビリを開始しようと一時間程歩いてみた。
 この公園の整備は着々と進んで結構いろいろなコースが出来上がっている。
 ワザワザ行って見るほどではないけれど、近くの人は散歩がでら歩いてみるのも良いだろう。
 新しい事務所にはコース案内の地図も置いてある。
 一時間、休み休み歩いてみたが帰宅後ぐったりと寝てしまったのでもう少し時間が掛かるかナッ!!
 今週の診察で何と言われるかにもよるのだが・・・・・。
 
 
2007年5月27日(日)
山小屋にて 標高 : 約900m (長野県の山麓)

【新緑と鹿島槍】

【庭に咲いたクリンソウ】

【水田に映る白馬】
・山小屋ギャラリー”春の風景”に追加しました。
2007年5月26日(土)
穂高町栗尾山つつじ公園

【つつじに囲まれて】

【デジカメをオモチャに】

【画像をチェック中】
・山小屋生活・・・周辺散策に追加しました。
2007年5月20日(日)
相模原北公園

【バラのコーナーにて】

【青空をバックに】

【早くも咲き始めたアジサイ】
2007年5月4日(金)
辰尾山 標高 : 761m (新潟県の山)

【山頂下より北アルプス】

【明星山をバックに】

【雨飾山をバックに】
・写真のみ
2007年5月3日(木)
白馬乗鞍岳 標高 : 2436m (長野県の山)

【白馬乗鞍山頂にて】

【ライチョウと】

【ダテカンバの道】
・写真紀行(笑い)
2007年4月29日(日)
蛭ヶ岳  標高 : 1672m  (神奈川県の山)

【蛭ヶ岳山頂にて】

【不動の峰途中の木】

【丹沢山山頂にて】
山行写真
2007年4月22日(日)
山小屋にて 標高 : 約900m (長野県の山麓)

【長見山途中】

【ニホンカモシカと遭遇】

【青木湖を眼下に】
2007年4月21日(土)
山小屋にて 標高 : 約900m (長野県の山麓)

【夢農園にて】

【鵜山の桜並木にて】

【大町スキー場にて】
2007年4月20日(金)
妙義山  中間道を歩く  (群馬県の山)

【中之岳神社前にて】

【桜と金鶏山】

【出発点の妙義神社】
・写真のみ
2007年4月15日(日)
生籐山  標高 : 990m  (神奈川県の山)

【一つ手前の三国山にて】

【里の春を行く】

【道端の菜の花と・・・】
2007年4月14日(土)
仏果山  標高 : 747m  (神奈川県の山)

【山頂展望台にて】

【服部牧場にて】

【新緑の道】
2007年4月8日(日)
石砂山  標高 : 588m  (神奈川県の山)

【山頂にて】

【津久井湖苑地にて】

【カタクリの里にて】
2007年4月7日(土)
岩殿山  標高 : 634m  大栃山 標高 : 1,415m (山梨県の山)

【岩殿山山頂にて】

【桜と富士山】

【大栃山山頂にて】
2007年4月1日(日)
山梨へ桜見物

【山高神代桜】

【甲斐駒と桜】

【わに塚の桜】
・年度末の仕事の疲れと前日の法事&渋滞で山に登る元気が無い。
 一杯桜の写真を撮ってきました。ご参考までに・・・こちらをご覧下さい。

2007年3月31日(土)
法事で三浦へ

【「うらり」にて】

【お買い物】

【マグロ漁船と城ヶ島】
・生憎のお天気になってしまったが・・・・法事で三崎まで行ってきた。
2007年3月24日(土)
大山  標高 : 1252m  (神奈川県の山)

王岳  標高 : 1623m (山梨県の山)

【遠くに富士山も・・・】

【塔の岳をバックに】
・一歩お先に”写真だけ
2007年3月21日(水) 春分の日
相模湖、城山カタクリの里周辺散策  (神奈川県の山)

【城山カタクリの里にて】

【カタクリの花とセツブン草】

【相模湖カタクリの里にて】
・一歩お先に”花の写真だけ”
・今年の春分の日は丁度一週間の真ん中の水曜日で上手く連休にしづらい上に仕事が組織変更やら何やらでとても休暇を取れる状況では無くなっている。
 例年だとこの春分の日に山小屋へ行って帰ってきてから車のタイヤをスタッドレスからノーマルタイヤに変える習慣になっていたのにそのタイミングが見つからない。
 もっとも、今年は暖冬だったので早くから変えれば良かったのだが今週はこの冬最後の寒気が入って山小屋周辺でも雪が降り、ペンションの人達を慌てさせていると聞いて
 のびのびになってしまっている。
 それはまだもう一度雪遊びをしたいと言う僅かな期待を込めてタイヤをそのままにしておくことにしているのだろう。(悪あがき!!)

 この休日はそのような訳で今ひとつ何をするにも乗り気になれなくて何の予定も立てずにいたら皮肉な事にお天気は上々のようだ。(クククッ・・・・。)
 そうなれば家に居る訳にも行かないので、何時も中央道相模湖ICへ向かう途中に看板を見ていた”相模湖カタクリの里”までドライブがてら行ってみることにした。
 今日は家を出るのも遅かったので行楽へ向かう車と同じ時間になり道もかなり渋滞していたが先を急ぐ訳でもないのでノロノロと津久井湖を通過して行く。
 三ヶ木を過ぎ道志川に掛かる橋を過ぎればと思いつつ・・・普段何気なく見ていた看板が正確には良く覚えていないようでチョッと不安になった頃、右手に”相模湖カタクリの里”の
 看板を発見!!あわてて右折のウィンカーを出して細い路地に入った。
 そこには地元のボランティアだろう”お爺さん”が椅子に座って道案内をしていた。
 『もうカタクリの花は咲いていますか?』と私が問いかけると、一瞬息を呑んで『一・二割りかナッ?』と自信無さげに答えてトランシーバーで車が一台入る事を誰かに伝えている。
 そのお爺さんの指図に従って更に細い民家の路地を標識に従い車を進めると前方に臨時の駐車場が見えてきた。
 そこには1台しか車が止まっておらず・・・嫌な予感がしたのだが・・・そこにも人の良さそうなお爺さんがいてニコニコと私達の方を見ている。(笑い)
 しかたがないので、車を降りて歩く準備をしていると『カタクリを見に来たのかい?ヤット咲き始めた所だよ。』と向こうから近づいて来て話し掛けてきた。
 『見せていただけますか?』と答えると、どうぞ!と言って道順を示す指先には”駐車料金100円”の料金箱が立てかけてあった。(お金を入れるとカラ〜ンという何も入っていない音!)
 畑の中のあぜ道を進んで行くと”ネギ一束100円”の看板があり勝手に取れというのだろう畑と道端には菜の花も咲いている。
 その先にテントが張られ此処には今度は婦人会の人達?が数人詰めていた。
 『お花を見せて下さい。』と家内が言うと『咲いているかどうか探してネ!!。』との答えが返ってきて、段々会場に近づくにつれトーンダウンしてきたようだ。(苦笑)
 それでも、入園料100円(もう少しすると300円だそうだ!!)をシッカリと取られてしまった。
 このテントの先の北斜面一体が群生地のようだが・・・・<10万株の大群生と市の広報には掲載されていた。>どんなに広いのかと思いつつその斜面の中のロープを張られた小路を
 下って行くと確かに一面カタクリの独特な葉が広がっているのだが・・・・・(まだ花は付けていない。)
 目を凝らし一所懸命探してみたが・・・・結局2〜3輪の花をやっと見つけるのが精一杯だった。(笑い)
 斜面の一番下部の先には渓谷があるらしく林の間から水辺が見えていてカワセミが1羽飛んで行くのが見えた。(ここでの一番の発見!)
 そこからは直ぐ上り坂になりアッと言う間に入り口に帰ってきてしまった(苦笑)余りにも呆気なく狭い・・・・・。(10株の群生地ってこんなものなのか!!)
 テントの前を通りおばさん達にお礼を言うとお茶飲みを楽しんでいる手を止めて『花は見つかったか?』と笑いながら聞いてくる、『マアッどうにか・・・その替わり子供たちが柵の中を
 走り回っていたけど・・・・。』とチョッと意地悪を言って見た。
 それを聞いて『エッ!!又あの子達ダ!!』とあわててテントから飛び出していった。(ハハハッ)
 
 このまま車に戻るのも物足りないので畑の中の道を抜けて一旦県道まで出て”信玄の首塚”と言う一見不気味な看板のある広場まで行って見た。(これも車で通る度に気になっていた所だ。)
 バス停の横にあるこの場は武田信玄が北条氏と戦った時に討ち取った敵将の多くの首を洗って弔った!場所だと立て看板に書いてあった。(なるほど!!)
 ついでにその先の”寸沢嵐石器時代遺跡”も気になっていたので歩いて行くと立派な看板の割には見落としそうな道端に小屋がありその中に石が敷き詰められた住居跡?が保存されていた。
 何でも縄文後期の貴重な遺跡なのだそうダ!!。
 私はこの手の事には不勉強で良く分からないものの、古代の人々が住んだ所はいろいろな意味でその地の恵まれた場所にあると思え訪ねて見る事は嫌いではない。
 目を閉じると電信柱もアスファルトの道や車も消えて騒音の無い豊かな自然の中を歩く古代人の姿が見えてくるようだ。
 そのまま、民家の軒先を小高い丘に向かって歩いて行くと足元にオキナクサが咲いている。
 更に土手にはカタクリの花まで咲いているではないか!!視界が開け春の陽射しを一杯に受けたこの高台には思いのほどの多くの家が立ち並び街があったことに気が付いた。(新しい発見)
 津久井湖の対岸には城山湖から峰の薬師を経て高尾山に通じる山並みが柔らかい稜線を連ねている。
 そんな風景を楽しみながら斜面の中に刻まれた小道を下って行くと先程の”信玄の首塚”まで戻ってこれたようだ。
 駐車場に戻り2〜3台車が増えているのを横目にしながら係りのお爺さんに挨拶をして車を出した。
 県道に戻り、このまま家に帰るのも・・・・と近くの相模湖林間公園の標識につられて車を走らせる。
 ここは相模湖ピクニックランドと隣接する丘陵にあるのでチョッと期待したのだが行ってみると立派な運動公園になっていた。(散策路は無いようだ。)
 『なんだか物足りないわネ。』との家内の言葉に促されて帰り道又”城山カタクリの里”に寄ってみることにした。
 あそこなら流石にもう少しは咲いているだろう・・・・それに家内は友人達に開花状況を教えろ!とも言われているらしい。(笑い)
 駐車場まで来ると結構広いのにも係わらず7割がた埋まっているようだ。(皆春を待ちわびているのだろう。)・・・ここは駐車料金は取られない。
 前回は閉まっていたゲートが開かれ民家の庭先に露店も出てそれなりの賑わいを見せている。
 300円の入場料を払い園内?に入って行くと早速咲き始めたカタクリの花が私達を迎えてくれた。
 その他、様々な春を告げる花達が少しづつ顔を出し楽しませてくれる。(箱庭的な世界が作り出されているようだ。)
 黄色い花は福寿草だと思ってよく見ると、黄花セツブンソウと名札が付いている。良く見ると確かに茎から下が違うようだ。(勉強になった。)
 この様な景色を見ていると益々山小屋へ行きたくなる。
 ここは都会に近く、気楽に訪れることが出来失われかけた日本の里山の面影を残しているとは言え、やはり何処か人口的である事はいがめない。
 その点、私達が勝手に”神城タンポポ”とからかっている、姫川源流とその周辺の集落の周りに咲く雪解け後の福寿草(本当にタンポポ位あちこちに咲いている。)や黒沢高原、五竜スキー場脇
 に咲く野生のカタクリの大群生群(本当に広い範囲に咲き誇る)姿を見てしまうとついつい見比べてしまうのはいけないことだろうか??
 今年は雪も少なく四月中旬には咲いてしまうのかナッ??

 一通り園内を廻って出口まで戻ってくると『この”城山』カタクリの里”も随分と充実して来ているけど、此処までくるのに結構な歳月が掛かったわネ!!相模湖もこれから何年も掛かれば
 この位になるわヨ。ただ今からお金を取るのはチョッと早いかもしれないわネ。と誰に言うわけでも無くつぶやいている。
 今日は家をユックリ出たはずなのにまだお昼前だ。
 『そう言えばワイルド・ワンからバーゲンのハガキが来ていたワッ!』と家内が思い出したように言うのでこれまた、ついでに寄り道をすることにして多摩センター方面に車を向けた。
 ここの所、山頂直下の急坂で家内に遅れを取るので家内愛用にBIOTEXタイツがチョッと気になっていたのだ。(苦笑)
 <本音は、仕事疲れと冬用ズボンの裏地(毛)とタイツが引っかかり足を上げる時に絡みつくようで・・・・表面が滑々するタイツが欲しかっただけなのだが・・・・・>
 どちらにしても年を取ってしまったと言う事なのだろう。(情けない!!)

 ワイルド・ワンの駐車中も一杯でチョッと待たされ、店内に入ると品揃えが既に春の装いに変わっている。
 今は特に欲しい物もないので早速そのタイツを試着してみた。どうも下半身全体がサポーター(古いナッ!!)をはめた様に引き締まるような良い感じがした。
 チョッと値が張る商品なのだが、試しに購入して見ることにした。<家内はどうも、私がこれを買うことに素直に喜べない様子だ。
 周辺の多摩丘陵の木々達にも春の気配がし始めているようだ。
 新緑の季節ももう直ぐだろう。


2007年3月18日(日)
王岳  標高 : 1623m (山梨県の山)

【山頂にて】

【富士山をバックに】

【登山口の”いやしの里?”】
・今年はこのまま冬が終わってしまうのか?と思っていたら今週は強い寒気が入って山々に新雪を降らせて白く輝く峰々の写真がインターネットに掲載されている。
 私も行きたい!ナッと思うのだが・・・・・中々スケジュールの調整が出来ないでいる毎日だ。
 時間の余裕が欲しくて転職したこの職場でまさかこんなに忙しくなってしまうなんて思っても見なかったことなので少々戸惑いと諦めが交差しながら日々悶々としている自分が悔しい。
 今週も金曜日にヤットなりヨレヨレになって深夜帰宅したものの意外と目が冴えて直ぐに眠れず布団の中で起きていたようだ。
 結局、土曜日は朝起きることも出来ずお昼前にどうにかベットを出て雨戸を開けると曇り空が広がっていた。(良かった!!)
 午後遅くなって雲が取れ初めて青空が広がってきたものの結構風が強いようだ。
 そんな訳で一日家から出ないで過ごしてしまった。

 夕方の天気予報を見ると日曜日は”晴れ時々曇り”の予報になっているが・・・天気図を見ると冬型の気圧配置になるような気がして関東地方は”快晴”になると確信した。
 そこで、今年見納めの冬の富士山が見られそうだ!と私が言うと、『御坂山塊でまだ歩いていない王岳へ行って見たい!』と家内が即答してきた。
 王岳はガイドブックだと結構急坂で、しかも登山口の根場集落が集中豪雨の土石流で大きな災害にあった場所と聞いていて、何となく遊びの私達が近づくには気が引けていた山だった。
 それでも、”山梨百名山”を楽しみにしている家内にしてみれば、刃こぼれをおこしているようで気になるのだろう。
 快晴の明るい日になら行ってみようか!と私が答えると早速河口湖の友人に今日の雪の状況を確認していた。(ニュースで箱根が雪景色になっていたので・・・・。)
 どうせ行くなら朝焼けの富士山を見ようと何時もより早く起きて家を出た。
 日曜日の朝、今までだと当然真っ暗な・・・と思っていたらもう春分の日も近づいていて東の空が薄っすらと明るくなっている。(シマッタ!!)夜明けがダイブ早くなっているようだ。
 中央高速に乗る頃には辺りが明るくなってしまい、大月から河口湖に向かう私達の車の正面に朝焼けの富士山が聳え立っている。(この景色を見たかった・・・・。)
 家内にカメラを渡しシャッターを押せと頼んでも『どうせ、私の撮った写真は消去されるから嫌だ。』と言って拒否されてしまった。(それでも渋々2〜3枚撮ってくれたのだが・・・。)
 そんなやりとりをしながら走る車の右手にはそれこそ赤く染まった三つ峠の山々が私達に今日の快晴の一日を教えてくれていた。
 私は少々焦り気味に河口湖ICを降りてから、コンビにに寄りたいと言う家内の言葉を無視して河口湖大橋を渡り対岸からの富士山の写真を撮る為先を急いだ。
 紅葉の頃来た道端に車を止めカメラを持って湖畔に走りまだ赤みを帯びた富士山と対面してどうにか今日の目的の一つだった冬の富士山の写真をカメラに収めることが出来た。(ホッ)
 車の中に居たので分からなかったが今朝は結構風があり湖面が波立っていたので逆さ富士とまではいかなかったがそれでも綺麗な写真が撮れたと思い一満足して、
 その後西湖へ向かった。
 
 ガイドブックに従い根場に着いてから集落跡に入って神社を探そうと思ったらそこらじゅうで通行止めの看板が出て来て目的地に近づけない。(何か大きな工事をしているような感じで)
 しかたが無いので湖畔まで戻って駐車場に車を入れて歩く準備にとり掛かる。
 道標に従い王岳登山口を目指して歩き出すと先程の通行止めの道を進めと書いてある・・・・その内”いやしの里”との看板が出て来て入園料が必要だと書いてあるのだが・・・。
 誰も居ない工事現場のような所なのでそのまま素通りさせて貰う事にする。???
 そのまま地図に従い歩いて行くと、目標の神社が見えてきたので一安心して更に道標に従い林道を歩いて行く。
 どうも”いやしの里”と言うテーマパークでも作っているのだろう、あちこちで工事が行われているようで茅葺屋根の建物も何件か建設中のようだ。
 その真新しい建物の横の木立の中に朽ち掛けた茅葺屋根の本物の家が数軒残っている。(キット災害の時に逃れた家なのだろうか???)
 その光景が何となく不気味に感じてしまうのは臆病夫婦の定めだろうか?(笑い)
 やがて林道からから登山口の分岐に入り人工樹林帯を進んで行くと砂防ダムが出て来てその斜面に最近植林されたのだろう若木を食害から守る為に白いプラスチックが立ち並ぶ光景が
 目にに入ってきた。
 これも何か墓標のようで背筋が寒くなる。(本当に怖がり・・・・笑い)
 歩き始めて40分程でヤット尾根筋に出ると朝の光が差し込んで辺りが一気に明るくなり今までの雰囲気も吹き飛んでヤット気持ち良く歩いて行ける。
 このアプローチは確かに急坂なのだろうが適当にジクザグと登山道が刻まれているのでそれ程苦にはならない。
 振り返れば木立の間から富士山も顔を覗かせてくれて励ましてくれるので順調に歩け、鍵掛峠まで上ってこれてしまった。(思ったよりも楽に登れた)
 この峠の標識から少し王岳よりに歩いた所に展望広場があり富士山の絶景が楽しめる。
 私達もここで小休止!その後は稜線をひたすら山頂を目指して歩く事になった。
 この稜線は下から見ると台形に見えていたが結構上り下りを繰り返し何度も山頂かと騙されて進む事になる。(苦笑い)
 私が写真を撮りながらユックリ歩いていると先に行った家内が反対側から歩いて来た単独行の人と話しこんでいた。
 このご婦人は昨日蛭ヶ岳から三方分山を経由し女坂峠でテント泊してここまで来たと言う!<凄い!良く怖くないナッと感心してしまう。>
 お互いに今日始めて人に会いしかもそれが女性同士だからだろうか?話し込んでいるので私は少し離れた所から風景を楽しみながら待つ事にした。(笑い)
 その内、相手が私の存在に気が付いたのだろう話を切り上げて会釈をして通り過ぎて行った(お気を付けて・・・・。)

 この稜線歩きは歩き易い所とガレ場を繰り返し、しかも甲府側は立ち木があって見通しが利く所は無いようだ。
 木々の間から白く雪を抱いた南アルプスや八ヶ岳が見え隠れしているのに展望を楽しめる場所は無いまま歩き続けることになる。
 時折、北風が抜ける所では顔が冷たく痛いくらいに気温も低い。(目だし帽を持ってくれば良かったと思うくらい!)
 今度こそ!と思う急坂を登ればヤット山頂に着くことが出来た
 ガイドブックでは展望は望めない!と書いてあったこの山頂もその後整備されたのだろう富士山側は木々が切られチョットした広場になっていた。
 誰も居ないこの山頂で北風を避ける岩陰で春の陽射しを受けながら今日も家内が作ってくれたお弁当を食べて一休み!富士山の絶景を楽しんだ。
 今日は暖かいのか寒いのか良く分からない!こうして風除けしているとそうでもないものの手は悴んで来るし立てば顔が風を受け痛くなる。
 そんな調子なので身体も冷えてきて山頂を後にすることにした。
 下山途中の大岩によじ登り南アルプスの写真を撮っていると今日始めての夫婦連れが『何しているのか?』と問い掛けながら、すれ違って行った。
 太陽が頭上まで昇って明るい稜線を歩き鍵掛峠から来た道を尾根筋に下り一気に林道まで帰ってきてしまった。
 まだこの辺の山にはそれ程人は入らないのだろう、今日も静かな山歩きを楽しむ事が出来た。(感謝)

 今朝は人っ子一人居なかった”いやしの里”にも観光客がポツポツ訪れているし工事の人やお店の人と混じりそれなりに活気を呈している。(長続きはしないだろう。)
 そんな光景を横目にしながら私達は駐車場まで戻って来た。
 今日一日、私達の目を楽しませてくれた富士山にも薄雲が掛かり始めそんな富士山とともに西湖、河口湖、山中湖と車を走らせ道志道経由で帰宅した。
 3月も半ばを過ぎ今年は雪も少ないので雪遊びもそろそろ終わりを迎えようとしている、来週こそ山小屋へ行きたい!。
 そんな私の願いは通じるのだろうか?何も無ければ良いのだが・・・・・。
 
2007年3月10日(土)
雁ヶ腹摺山 標高 : 1874m (山梨県の山)

【山頂にて】

【閉鎖された林道を行く】

【南アルプス展望】
・3月に入り慌しく時間ばかりが過ぎて行ってしまう。
 仕事のストレスを発散する為に貴方は山に行くのか?と家内にイヤミを言われながら週末のお天気ばかりを楽しみにしている今日この頃だ。
 この週末も週初めには傘マークが付いていたが直前になって土曜日だけ晴れマークに変わった。
 ただ何となく気圧配置も春の気配で快晴は望めそうもない。
 このまま今年は春になってしまうのだろうか・・・・(桜の便りも各地から届き始めて冬はもう終わってしまったのか?。)
 こうなると晴れても春霞の空になり富士山が見える日も少なくなってくるのだろう。
 そう思うとどうしても雁ヶ腹摺山の林道開通(現在冬季通行止め)前に一度行って見たくなった。(前回は諦めて大蔵高丸へ行ったのだが・・・・)。

 一週間の疲れと花粉症で本当はユックリ寝ていたい位な体調なのだが土曜日しか晴れマークが無いので無理をして何時も通りベットから這い出し山歩きの準備にとりかかる。
 天気予報も今日は気温が高めだと言っているので春山歩きの服装に万が一の場合に備えフリースと雨具の上下に軽アイゼンをザックに入れて家を出た。
 中央道で大月まで走り、国道20号線を少し下れば直ぐに”真木下”の信号に着くので右折、集落の中の狭い道を抜けて林道に入って行く。
 しばらくこの林道を走って行くと冬季通行止めのゲートに着き、手前のテニスコートの駐車場脇に車を止めて歩く準備にとりかかることになる。
 ここまで車窓から見えなかった山々が姿を少し出し始め、山の頂に掛かっていた雲が取れると稜線上の木々に霧氷が着いて少し白くなっているのが見えてきた。
 徐々に青空も広がり出して今日ここを選んだことは正解だったと一人笑みがこぼれてくる。
 ゲート横から林道を進んで行くとやがて朝の光の中にマハイバ丸から大蔵高丸の山容が姿を現し、やがて白岳の笹原と黒岳も見えてくる。
 広い林道は車が通らないのでノンビリと歩いて行けて小鳥の声や渓流のせせらぎを聞きながら徐々に高度を稼いで行く。
 そうこうしていると私達がゲート脇で歩く準備をしていた時に鍵を開けて入っていった車が道路脇に止まっていて乗っていた男の人二人がウェーダー?(腰まである長靴)を着て釣竿を
 手にして渓流に下りて行った。
 『あの人達は仕事の合間に一般の人が車で入れないのでユックリ釣が楽しめるわネ。』と家内が笑いながら私の顔を見る。『一応、魚体調査とでも名目があるんじゃないかナッ』と
 私が答えると『地元の人にそれ位の特権があっても良いかも知れないわネ。』と言って納得したように先を歩いて行く。
 頭上の青空は更に広がり3月の陽射しが私達に降り注いでポカポカ陽気になってきた林道を果てしなく歩き続ける。
 車の通らない広い道は動物達の遊び場になっているのか?そこら中に糞や食べ残しの木の皮などが散乱していて時々目の前を横切って逃げて行く姿を目撃できる。
 林道閉鎖は動物達にとっては天国なのかもしれないなどと思いつつ歩いていると『キャ〜ッ』と言う悲鳴を発して先を歩く家内が立ち止まった。
 その先には猿の一団がこちらを見てから山の斜面に逃げ込んでいるところだった。(多勢に無勢!)
 でも、この辺の猿は気が弱いようでそのまま林の中まで去ってくれたので一安心・・・ボス猿も様子を見ながら立ち去ってくれたようだ。
 静けさが戻った道を歩き続けヤット湯ノ沢峠への分岐を過ぎて林道半分の行程を通過、目指す雁ヶ腹摺山も見えてくるが距離が中々縮まらない。
 道の斜度が緩やかになってくると空も広くなってきて大峠の駐車場に辿り着くことが出来た。(約2時間の林道歩きだった。)
 ヒッソリとした公園には人の気配も無く態々ベンチまで行く必要もないので道端に腰を下ろして早めの昼食を摂る事にした。(お腹が空いた)
 最近はコンビに弁当に飽きたのか?余裕が出来たのか家内がお弁当を作ってくれるようになったので私好みのオカズが入っていて美味しく食べられる。(感謝)
 ここから登山道に入って行くと北斜面には薄っすらと雪が付いている、昨夜少しだけ降ったのだろう。
 ただ此処までアスファルトの道を歩き続けてきたので土の感触は足に優しく感じられヤハリ登山道の方が歩き易いと思ってしまう。
 大きな奇形の林を抜け最後の急坂に取り付くと『貴方!富士山が見えるわヨ!』と家内が上から私を呼ぶように声を掛けてきた。
 今日は太平洋側に前線があり南側の雲は取れないと思っていたので思わず私も嬉しくなり先を急ぐことにした。
 木々の間から高曇りの空とグレーの雲の境目に頂だけを覗かせた富士山が確かに顔を出している。
 今日は見えないだろうと思っていた富士山が少しだけ見えただけで逆に貴重で感激してしまうのは不思議なものだが・・・・(気持の持ちようだろう。)
 中々写真には写りにくいものの数枚シャッターを押して山頂に向かうと茅の原を先に進む家内の姿が小さく見えた。
 僅かに残った雪原を渡り私も山頂まで急ぐことにした。
 山頂広場は以前より整備され案内板も設置されて500円の富士山を強調するようになっていた。(今日は残念ながらその優美な裾野までは姿を見せてくれていないのだが・・・。)
 
 私が一息入れていると周辺を歩き回っていた家内が立ち木に付いた傷跡を見つけて『これは熊の爪痕じゃない?』と問いかけてきた。
 まさかと思いつつも近づいてみると確かに鋭い爪で木の皮を剥がした跡があり、しかも真新しい!まだ数日しか経っていないようにも見える。
 『そうだネ、これは熊の爪痕だネ。』と私が答えると『もう冬眠から目覚めたのかしら・・・・。』と急に不安そうに辺りを見渡しながら早く降りようと言い出した。
 動物天国も微笑ましいが”熊さん”だけは余り歓迎出来ないので荷物をまとめて山頂を後にすることにした。
 富士山に挨拶をしてからと思ったら新たに湧き出した雲でもう半分も姿を隠し始めている。
 今度は晩秋の林道閉鎖前にもう一度綺麗な富士山を見に来たいワと言う家内の言葉を聞きながら茅原を抜け木立の中の登山道を下って行った。
 下から”鈴”の音が聞こえて来て今日始めて登山者とすれ違う。 この方はチョッとの違いであの富士山を拝めなかったのだろう。

 今朝方は少し残っていた雪も春の気配に既に消えてしまい木々の枝先が少し色を変え始めた木立の中の道を歩いて行くと私達が歩き続けてきた林道が延々と蛇行しながら連なっている
 姿を一望できる場所に出た。
 『良くもまあ、歩いて来たものネ。でも又あの道を引き返すのかと思うと嫌になっちゃうワ。』と苦笑いする家内の先には雪を抱いた南アルプスが広がっていた。
 大峠まで下り、トイレをお借りして(冬季でも開いていた)そのまま今朝来た林道を下ることにした。。
 春の目覚め前の山肌はどこか色も変わりつつあり私達の歩く所には陽射しもあって長閑な山間の道を歩き続て行く。
 特に歩くことがきつい訳ではないのだが・・・・アスファルトの道は突き上げるような感触を足に感じて別の疲れが出て来てしまったようだ。
 どうにか駐車場まで戻ってくると流石に膝と踵に疲労を感じる。(一言、疲れた!!)
 装備を解いて、車を出すと『当然、笹一に寄ってくれるわよネ。』と家内の催促が来た。
 今週、家内は友人達と静岡へ一泊の旅行を楽しんできてお世話になった友人に”笹一”の梅酒を送る積りになっていたようだ。
 (この梅酒が好評だそうで・・・機会があったら一度お試しあれ!!)
 帰宅後、私はお風呂に入ってビールを飲むとそのままベットの中の人になってしまった。
 翌日曜日は予報通り朝から雨が降っていたのでそのままお休みタイムを続け久しぶりに自宅から一歩も出ない休日となってしまった。
 このまま春になってしまうのだろうか・・・・仕事が変な風に忙しくなり山小屋へ行けなくなってしまった。
 もう一度雪遊びがしたいのに・・・・。
 どうぞ私の望みを誰か叶えて下さい・・・。(悲鳴!)

2007年3月4日(日)
西天狗岳 標高 : 2646m (長野県の山)

【西天狗山頂にて】

【下山途中で青空が広がる】

【東天狗山頂にて】
・金曜日の夜又にお誘いがありお酒を飲んでしまった。
 花粉症の症状が出ている時は本当に酔いが早く帰宅電車に乗っているのも辛いのについついそれを忘れて飲みすぎてしまう。(苦笑)
 結局土曜日は二日酔いで二週続けて午前中をベットの中で過ごしてしまった。(我ながら情けない!)
 それでも"天は我を見捨てずお天気は曇りで気分的にはユックリ休むことが出来た。(ここの所神経を使う仕事が多くチョッとお疲れ気味・・・・。)
 昼食後、窓の外が明るくなってきたので外に出てみると青空が広がり始めていた。
 そうなると又何処かを少し歩いてみたくなる。
 先週行った城山湖の本沢梅園で"梅祭り"をしているはずなので家内を誘ってお花見がてら出かけて見ることにした。
 
 会場の上にある運動場がこの時期だけ臨時の駐車場になっているので大きな混雑も無く車を止める事が出来たので、まず会場になっているメインのテントが立ち並ぶコーナーへ
 足を向ける。 そこには、何処にもある焼そばやおでんの売店も出展されているがそれらのお店はパスして春の花を売る露店を覗いてみた。
 そこだけはもうスッカリ春の花達が咲き誇り様々な色合いで私達の目を楽しませてくれる。
 その後、開放された梅園の中に入りほのかな梅の花の香りを楽しみながら咲き誇る梅の花を観賞させてもらった。
 良く手入れの入った斜面には新しい緑の草が萌え始めその中に混ざって小さなイヌフグリが可憐な花を付けている。
 上空には青空が広がり午前中の曇り空が嘘のように晴れ上がっていた。
 このまま帰るのも何故か勿体無い気もして来て、近くに(帰り道途中)ある"カタクリの里"へ寄ってみないか?と家内に言うと、『まだ少し早いと思うけど、友達にも開花状況を教えて
 上げることになっているので、様子を見に行こう!』と直ぐに話しに乗ってきた。
 一旦、車に戻って山を下り里にある"カタクリの里"の駐車場に車を止め直す。(既に数台の車が止まっていた。)
 民家の軒先にある入り口まで歩いて行くと、まだ柵があり通行止めになっている。(キット開花していないので入れてくれないのだろう。)
 私が諦めて車に戻ろうとすると、家内が別の道があるからとスタスタ先に歩き始めた。(自宅から近いので友達と良く来ているそうでこの辺はぬかりないようだ。)
 一旦広い道に出て住宅街の中から別の入り口に行くと料金所(開花時は入園料を取られる)は閉まっているものの柵はないので入れるのだろう。
 そこから園内に入って行くと小さな丘の斜面に一杯カタクリの独特な葉が敷き詰められたように顔を出しているのが目に入ってきた。
 気の早い花が一輪位咲いていないか?の目を凝らしながら斜面を上っていったが流石に蕾さえ見つからない。
 それでも、福寿草やイチゲ類だろう春を告げる花々が潅木の下にあちこちから顔を覗かせている姿を見ることが出来た。(ヤッパリ春だナ〜ッと体感させてくれる。)
 山小屋の周辺の雪を割って咲く福寿草や人知れず咲くカタクリの群生と違いここの花達は人々に温かの守られどこかのほほんとしているようにも感じる。
 そんな私の考えを敏感に感じ取ったのか『都会の近くにこんな環境が残っていて多くの人々の心を和ませ、楽しませてくれているのヨ。私達はこんな近くに住んでいることを
 感謝しなければ!』と家内が楽しさうに話し掛けてくる。
 確かにその通りだろう。
 なんだか、今日の散歩はスッカリ春気分になってしまい気分までポーッとして来てしまったようだ。(笑い)
 『ところで、明日はお天気が良いようだけど何処へ行く積り・・・・・。』との質問まで返されてしまった。

 自宅に戻り、軽くワインを飲みながらPCで天気予報を確認すると低気圧と高気圧が混在するチョッと悩ましい気圧配置になっているようだ。
 ただし、山梨・長野方面はは晴れの予報になっているので、このダラ〜ッとした気分を引き締めたいとの欲望も出たきた。(あの凛とした冷たい空気に接したい!!)
 『良し!明日は君のリベンジで天狗岳へ行こう!』と言うと『OK!』と即答が帰って来てしまった。(思わぬ反応にチョッと驚く!)
 早速、家内はピッケルや12本爪アイゼンなどの冬山装備の準備に取りかかっている。
 前回は山小屋(黒百合ヒュッテ)泊まりで余裕があったが明日は日帰りなので少し早めに家を出ようと夕食後早々に寝ることにして打ち合わせをしていると、友人夫婦から
 『入笠山へ一緒に行かないか?』との誘いの電話が入ってきた。
 折角のお誘いなのだが・・・気分が既に天狗リベンジに向かっていた家内が丁寧にお断りしたようだ。

 朝、4時前の目覚ましで起きて、準備をしてから家を出る。何時ものように相模湖から中央高速で諏訪南ICに向け夜明け前の真っ暗な道を車を走らせる。
 この時間帯は車がもう少し少ないのでは思っていたら意に反してスキー、スノボーに行くのだろう車で結構混んでいるようだ。
 流石に双葉SAのお弁当屋さんはまだやっていないだろうと思いながら休憩に寄ってみると焼きたてパンが出来上がっていたので少し調達して先を急ぐことにした。
 夜が明け始め、富士山、南アルプス、先週歩いた茅ヶ岳等の山々が朝の光の中に浮かび上がってきた。(良し良し・・・・)
 しかし韮崎を過ぎ、須玉・長坂と走って行くのだがとうも前方の八ヶ岳付近が良く見えない????その内、彼方に北アルプスの白い峰々まで見えてきているのに・・・(不安がよぎる)
 八ヶ岳SA近くまで来るとボンヤリとした裾野を引いて山頂に雲を纏った山容がやっと見えてきた。
 ヤバイかな?でも周辺の山々はハッキリとその姿を見せているし、甲斐駒などは朝日を浴びて青空をバックに聳え立っているのだから・・・いつかはこの雲も取れるのだろう。
 いや、絶対に取れてくれなければ・・・と祈りつつ更に車を進めて行った。
 諏訪南ICから一般道に入り前回迷った道を注意しながら車を走らせて行く。 朝の明るい光の中に八ヶ岳の全貌も浮かび上がって来ているのに相変わらず山頂付近に
 纏わり着いている雲はどきそうも無い。
 車は徐々に高度を上げ渋の湯温泉駐車場に着く頃にはスッカリ曇り空になってしまった。(トホホ・・・)
 温泉旅館の玄関で駐車料金を払い、駐車票を受け取り再び車に戻って歩く準備に取り掛かる。
 『この雲は取れてくれないかナッ!』と私が独り言を言うと『今日はリベンジなので、晴れなくても風さえ吹かなければ山頂に立つだけでいいワッ』と家内は呆気らかんとしたものだ。

 登山届けを出して橋を渡り登山道に取り付いて行く。 
 前回は片栗粉の様な良質の雪道で歩き易かったのだが、今回は気温も上がっているのだろう、一回解けた雪が固まっているのでチョッと歩き難い。
 その内、傾斜がきつくなって来ると、昨日の下山者がビニールシートでもお尻に敷いて滑り降りたのか?登山道が滑り台のようなツルツル斜面になっていた。
 この様な登山道で文句言う気にもなれないが、冬山初心者コースであるならばこのような事は止めて欲しい物だ。
 昨日、一旦緩んだ雪が夜凍りとても滑りやすくなっている。
 ”雪道のキックステップは壊すナッ!”と教えられてきた私には、この様な教えも是非引き継いで欲しいと思っている。
 こんな一見些細な事も事故を未然に防ぐ安全登山の基礎知識になると思うのだが・・・・。
 最近は雪山もチョッとしたブームだそうで、団体でぞろぞろ山に入ってくる姿を見かけ、それらのグループにシッカリしたリーダーも見受けられない。
 斜度のきつくなった雪道の上りのキックステップを下りで崩していったりお尻で滑ってキャーキャー喜んでいるグループを良く見かけるようになってきた。(これもこの様な連中なのだろう。)
 又、もう一つのブームになっているスノーシューで崩して行く人達もいるし・・・・・。
 何も、ピッケルやアイゼンの使い方ばかりが雪山訓練では無い!”転ばぬ先の杖”として少しでも危険な事は避ける、安全確保の知識も是非身につけて欲しいものだ。
 こんな林の中の道だから滑落なんて無いヨ!と仰るかもしれないが、転倒!骨折の危険はあるだろうし、そもそもそう言う事が他の人に迷惑を掛けると言う想像力思い遣りの
 精神だと思う。
     <又、小うるさい事を書いてしまい嫌われるだろうナ〜ッ>
 景色も無く曇り空の元での樹林帯の暗い道なのでそんな事を思いながら慎重に歩いて行くと今日始めて上からの下山者とすれ違った。
 彼が同様にツルツル斜面を避けるように登山道淵の境目に足跡を付けてくれたので、そこからはそのステップを使え幾分歩きが楽になってきた。
 八方台の分岐に着けば後は尾根筋の楽な道が続くのでここで一休みすることにした。(前回よりチョッと疲れたかナッ)
 私達が小休止していると登山届けを出していた時に挨拶した若者がノースリーブになって先に歩いて行った。(今日は確かに暖かなのだが・・・・若いナ〜ッ)
 ここからはノンビリと樹林帯の中を歩いて行くだけなので雲が取れることを祈りながら雪質も良くなって来た道をタラタラと歩いて行くことになる。
 やがて樹林帯を抜けて黒百合ヒュッテに着いてもまだ空は雲に覆われたままだった。(残念)
 とは言え、今日は山頂まで行かねばならない(笑い) ここでピッケルとアイゼンを着けて家内は必要な物だけを私のザックに移し自分のは置いて行くと言う。
 (余程前回の事が頭にこびり付いているのだろう。)
 おまけに、目出し帽まで被ったものだから、小屋前に居たおじさんに”銀行強盗でもするのか?”とからかわれていた。
 黒百合ヒュッテを後に中山峠を過ぎて(今日は展望台には寄らず)天狗岳への稜線に入って行く。
 樹林帯を抜けると急に視界が開け、曇り空とは言え眼前に二子の天狗岳がその姿を現せてくれた。
 『風はそれ程ないわネ。』と安心したように家内は言いながら私の前を歩いて行く。 その内、私の方が何時もの”体が重い病”が出て来てしまったようだ(クソ〜ッ)下品ですみません。
 先を行く家内との距離が段々開いて行き、その距離が詰められない。
 やがて、前回家内がギブアップした天狗岩下まで来るとニコニコした笑顔で家内が私を待っていた。
 『ネェここよネ。ここから引き返したのよネ。』と私に確認を取りながら『何ても無い所だったのに・・・・。』と半分首を傾げながら笑った。
 そう言ってクルリと向きを変え天狗岩下の急坂をよじ登って行ってしまった。
 私も続いて上り始めると岩の裂け目に根を張った奇形の木に薄っすらと霧氷が付いていて雲の切れ間から射す薄日に輝き気持を和ませてくれる。
 ここからは一部岩の間の狭い所はあるものの斜度も緩くなり程無く山頂に立つことが出来た。
 一応、これで今回の目的の東天狗岳山頂に立ち標識と一緒に記念撮影をしたので家内のリベンジは果たせたことになった。(笑い)
 『今回も山頂までこれなかったら、もう雪山は止める!と心に決めていたけど、まだ大丈夫そうネ!。』と言って笑っている家内もまんざらではないようだ。(良かったネ。)
 展望は前回には遠く及ばないものの周囲の山々の姿は見えていて幾分明るくなってきた空から時々日も射しはじめてこうして山頂に立つと気持の良い物だ。
 『ネェあれが入笠山でしょ? Aさんご夫婦も今頃あそこに居るのよネ。写真を撮って!』とせがまれ、入笠山をバックにもう一枚写真を撮る事になった。
 その後、『ここまで来たら西天狗岳にも行きましょう・・・・アツチの方が確か標高は高いのヨ。』と言うとサッサと私を置いて斜面を降りていってしまった。(本当に女心は理解できない!)
 しかし西天狗岳へ通じる真っ白な雪原は綺麗で気持がよい。 
 その中を一人進む家内の姿に雲の切れ間から時折日が射して純白の舞台にその姿を浮かび上がらせるので又写真を撮ってしまった。
 当然下りがあれば又上り返すことになり私は息が上がって、ヤットのことで家内の待っている山頂に辿り着いた。
 その西天狗岳の広い山頂は一面雪に覆われていて一人の男性がカメラを構え雲が切れるのを待っていた。
 『綺麗ネ。もう当分ここへは来る事も無いでしょうからもう少し景色を楽しみましょう。』と言う家内に付き合って山頂で双葉SAで買い求めてきたパンをかじりながら休息をとることにした。
 時折青空も覗くようになってはきたが纏わり付いた雲の流れも速く直ぐに隠れてしまったりのいたちごっこが続き一向にお天気は回復しないようだ。
 そろそろ身体も冷えてきたので山頂を後にすることにした。
 下山を始めると何時もの家内のペースが完全に戻ってきてドンドン先に歩いて行ってしまう。(現金なものダ!)
 私は写真を撮ることを口実にあえぎながら東天狗への上り返しを上って行く。
 天狗岩のチョッと危険な所に差し掛かると、ここは貴方が先!と言って家内は私を待っていて私を先に歩かせ、そこさえ過ぎてしまえば又スタスタと先に行ってしまう。(笑い)
 途中まで降りてくると少し青空をバックにした二子の天狗岳が私達を見下ろすように今日一番の美しい姿を見せてくれた。
 まるで「家内に山頂に立てて良かったネ!また遊びにおいで・・・・」と言ってくれているようだ。そんな光景を楽しみながら黒百合ヒュッテまで戻ってきた。
 小屋の庭先から見える狭い上空は何時の間にか青空も広がり3月の陽射しが暖かくさえ感じる。
 『お腹も空いたわネ。』と言う家内に催促されて私はザックからお弁当を出し雪の上で日向ぼっこをしながら、家内が作ってくれた昼食を摂ることにした。
 前回、ここを訪れて丁度一ヶ月位か?随分と違うものだナッと改めて感じてしまう。
 それは単に気温だけでは無く、雪の量もダイブ減ったような気もするし何より家内の明るい笑顔があるからだろう。

 昼食後、山と小屋にお礼を言ってから下山道に入っていった。ここからは又展望の無い樹林帯に入ってしまうのでタダタダもくもくと歩き続けるだけなのだが・・・・・。
 駐車場に戻り装備を解けば今日の山歩きもおしまいになる。後は運転に注意して自宅まで戻ってきた。(マアッ満足の一日だった。)

 それにしても、八ヶ岳って不思議な山だナッと思ってしまう。
 山小屋の往復で見る時は結構晴れている時が多く感じているのに私達が行こうとすると雲が出る。
 周辺の山々がダメな時に晴れていて逆に今回(先週も)みたいに周辺の山々が晴れていると曇ったりして・・・・チョッとへそ曲がりの山なのだろうか?(笑い)
 今冬は思いがけず雪の八ヶ岳を3回も楽しませて貰った。これも暖冬で雪が少なかったお陰かもしれない。
 今回の天狗岳でもダイブ雪が少なくなっていて、おまけに気温が高いのだろう雪質も落ちしてきている。(雪解けも早くなるのだろう)
 3月中に一度は山小屋へ行っておかないと今年は雪遊びが出来ずに終わってしまうかも知れない。
 仕事も大変な状況になりつつあるがどうにか時間を作って白馬方面へ行きたいものだと思う今日この頃だ。
。。。。。。
2007年2月25日(日)
茅ヶ岳 標高 : 1704m (山梨県の山)

【山頂にて】

【途中の女岩で】

【富士山を見ながら】
・この冬は暖冬だと喜んでいたら、その分花粉も早くから飛び始めたのだろう・・・・。
 2週間程前から鼻はムズムズするし鼻水は出るしおまけに頭はボーッとし始めている(元々の部分はあるのだが・・・・笑い)
 気象庁は今年の花粉の飛散量は少ないと言っているのに私には関係ないのかもしれない。(数年前の大量飛散の時はそれ程でもなかったし・・・・。)
 
 金曜日の送別会はそんな訳で幹事の重責から解放されホッとしたのか?二次会後、山手線で座れたので寝てしまったようだ。
 気がついたら新宿を通り越して・・・・目が覚めた駅では、その時点で京王線の最終には間に合わない時間になってしまっていた。(苦笑)
 しかたがないので新宿でホテルでも探そうかと戻ってみると中央線が事故?の影響で遅れていて高尾行きの最終が来ると言うアナウンスが流れていた。(ラッキー!)
 急いでホームに上がるとそこには予想以上の人達が電車を待っていてとても乗れそうに無い!!(この時点で午前1時少し前。)
 10分程で電車が入って来たが既に満員状態で殆ど新宿から乗車出来る人はいないようだ。(ヤハリ諦めかナッ!)
 と思っていたら意外とドアに行く人が少なくて(まだ最終の途中駅までの電車があるせいだろうか?)私は必死で最後の一人となって潜り込むことができた。(ホッ)
 ただしこのすし詰め状態は三鷹付近まで続き酔いはスッかリ醒めてしまったようだ。
 立川を過ぎればヤット身の回りの空間も確保出来一安心、後は八王子のタクシー乗り場での順番次第で無事に家に帰りつくことは出来そうだと気が緩んできた。
 駅に電車が滑り込み、私はドアから一番に走り出しタクシー乗り場へダッシュ!(足がもつれながら・・・)
 どうにか20人目位の列の最後尾に並ぶことが出来た。(ヤッタネ!!)
 ところが頼みのタクシーが全然来ない? ヤット来たタクシーに乗り運転手さんと話すと何時もの時間だともうとっくに終電の時間が過ぎているのでタクシーは繁華街へ
 行ってしまっているとの事。(ウムッそうだろうナッ納得!)
 そんな訳で家に辿り着いたのは3時近くになってしまった。(ヤレヤレ。)

 土曜日は結局お昼前まで寝てしまい、目が覚めたのは寝室には明るい光が差し込み眩しいばかりの青空になっている時間帯になってしまった。(こんな時に限って・・・・)
 遅い朝食兼チョッと早い昼食を摂るとこの青空が勿体無い感じがして、家内を散歩に誘って城山湖まで行ってみることにした。
 麓の梅園も先週より花が増えて来週の梅祭りには丁度良い位になっている。(去年は全く花は咲いていなかった。)
 何時ものように城山湖一周の遊歩道に入ると今日は結構風が強いようだ。
 北日本方面で発達した低気圧に向かって北風が吹き込んでいるのだろう。(今日は山に行かなくて正解だったと変に納得して・・・自己弁護しているようだ。)

 『明日はこの風も収まり午前中はお天気も良いようヨ!』と家内が私に誘い水を向けてきた。『ウ〜ムッ』二日酔いの私の頭には行きたい山が浮かんで来ない。(情けない!)
 結局、家内の『久しぶりに茅ヶ岳へ行って見ない?』の一言で行き先は決まってしまった。
 日曜日の朝、目覚めると快晴の空に星が瞬き、東の空が明るくなり始めている。(徐々に夜明けの時間も早くなり冬が去ろうとしているのを感じる。)
 今日はお昼過ぎから曇りの予報だったので、この青空が何時までもつのか?せめて山頂に立つまでは・・・と祈りつつ中央道をひた走って行く。
 最近、スッカリお気に入りになってしまった双葉SAのお弁当屋さんで昼食を調達(売り場のおばさんも私達を覚えてくれたようで愛想が良い。)し、韮崎ICから登山口に向かって
 車を走らせる。
 車窓から茅ヶ岳を正面に見ながら進んで行くその山肌は真っ黒で雪の付いている様子は窺えない。
 ここも暖冬の影響で雪が解けてしまっているのか?余り降らなかったのか?。
 広い登山口の駐車場に車を入れ歩く準備に取り掛かるがアイゼンをどうするか?迷うところだ。(一応、念の為6本をザックに入れて置くことにした。)
 新しい、コース案内の看板も出来ていて周回路がある事を発見!早速帰り道に使ってみることにして歩き出すことにした。(私が勝手に)
 駐車場から直ぐの所に"深田公園"があるが、今回はパスして登山道に入って行く。
 しばらくは落葉松林の中の広い道を歩いて行くと所々に朽ち掛けた民家や別荘があり余り感じの良い物ではない。
 私も常々自分の山小屋の最後をどうするか!責任を感じているのでこの様な光景を見ると胸が痛くなってくる。(父は良い後継者に恵まれて幸せ者だと自分を励ます。笑い)
 やがて、林道を横切ると登山道も狭くなり徐々に傾斜がきつくなって来ると1時間程で女岩の水場に到着する。
 ここで一休みすることにしたが前回は大きなツララがあった清水も今回はチョロチョロと流れておりスッカリ春の装いになってしまっている。
 ここから先のチョッと急坂だった箇所は迂回路が出来ていてその後は落ち葉の敷き詰められた広い沢沿いの道を進むとヤット稜線に出た。
 ここからの金峰山方面の開けた空間はホッとさせてくれる瞬間でもある。
 この痩せた稜線を少し登るとあの"深田翁終焉の地"の碑があり、『深田さんもこの金峰山を望みながら息を引き取られたのかしら?』と家内はつぶやき手を合わせ、
 『貴方の嫌いな百名山ブームは深田さんのセイではないわヨ。』と言って私の顔を見る。
 確かに、私はそのことは理解しているし、ご本人もこんな事になっていると知ったらさぞかしビックリされると同時に嘆かれることだろうことは分かっている積りなのだが・・・・。
 あの当時、麓から一山一山歩かれた姿を思うと本当に"山を愛された方"だと言う事も十分理解している。
 ただ、マスコミが作り出し地元の観光業者が祭り上げそのピークに立つ事だけに躍らせれ押し寄せる多くの人々の今の現状を見ると何故か複雑な気持になってしまうのも正直なところだ。
 日本には100しか山は無い訳ではないし・・・・順番など付ける必要もない!もともと日本人は山を信仰の対象とし敬い地元の人達が大切にしてきた多くの山々が存在している。
 私達、旅人はそんな山々をチョットお邪魔し遊ばせていただいているだけなのだ。
 更に、最近は調子に乗って「新百名山」などと騒いでいる山タレ!(山を食い物にするタレント登山家?)の姿を見るとゾッとしてしまう。
 「百の頂に百の喜びがある。」と仰った言葉は今では「百の頂に百の嘆きあり!」に変わった!と言ったところだろうか。<これで又多くの敵を作ってしまったかナッ!>
 それと、年老いて山に登り途中で亡くなられた事が美化され「山で死ぬ事!」を神格化し聖地と呼ぶのもどうかと思う。何時か山で死ねたら・・・みたいな風潮さえ作ってしまった。
 その後、”おろく”を山から下ろす人達も大変だっただろう。(多くの人に迷惑を掛けるのだ。)
 何事も引き際って大切なんだナッ!仕事でも何でも結局様々な所で同じような事が起きていているようにも思える。(老兵は死なず、ただ消え去るのみ!)が一番良いのだろう。
 そんな事を考えながら潅木の道を辿れば直ぐに山頂に着いてしまった。
 
 この山頂の突然開ける360度の展望は余計な事を考えていた頭の中を全て一瞬にして忘れさせてくれる位素晴らしいもので、先ず目が行くのは金ヶ岳に半分隠れた八ヶ岳の
 雪をいただいた姿だ。
 その左には遠く北アルプスの槍・穂高、乗鞍が見え、前回素晴らしい展望を楽しませてくれた入笠山と続き正面に甲斐駒から始まる南アルプスの山並みが続いている。
 『あの山々は一つも登ったことがないわネ!。』と家内が私の顔を見ながらイヤミッぽく話しかける。(今まで何度か計画しようとしても実行したことがない・・・・苦笑。)
 その山並みが切れると、ヤハリ一番のメインになってしまうのは富士山だろうか。今日は既に薄雲が広がり始め空の色と境目が無くなりそうなってはいるものの、その優美な姿に
 しばらく視線が釘付けになってしまうのはしかたがないことだろう。
 そして、大菩薩の山並みからここは青空をバックにした奥秩父の山々と視線を移して行くと頂に少し雪を付けた金峰山まで戻ってくる。これで360度の展望パノラマの終わりだと思ったら
 更にその横に浅間山の白い姿がポツッと見えていた。(新しい発見!)
 私達が山頂に着いた時にいた居たグループも去り、山頂には二人だけ残されてこの景色を十分堪能させて貰えた。
  <これだけの展望を楽しませて貰えたのはお天気の崩れが予報より遅れてくれたからだろう。感謝!>
 僅かに残っていた雪も暖かい陽射しに溶け出してグチャグチャになりだした山頂広場でバナナを食べて(まだお腹も空かないので・・・)下山することにした。
 下山道を試しに防火帯沿いに下りる事にして千本桜方面へ進路を取る。しばらくは木立の中の道を進み分岐から尾根道に入って行く。
 ここからはまだ新しい道なのか?結構急でザレ場もあり、おまけに凍結していた道が解け始めてヌルヌルと良く滑る(苦笑)歩きにくいルートになる。
 お互いに『アッ!』とか『オッ!』とかの奇声を上げながらどうにかバランスを取りつつ下っていたがついに家内が尻餅を付いて『キャ〜ッ』と叫んだ。
 『だから貴方の言う事を聞くとろくなことが無い!』と言って私を睨みつけている。(このルートで帰ろうと言ったのは確かに私なのだが・・・・八つ当たりも良い所だ(笑い)
 滑って尻餅をついた所が落ち葉もあってそれほど泥だらけにならなかったのは幸いだったのろうそれ程服が汚れてはいなかった。
 そうこうしていると狭い道が突然広い防火帯の中に入って行く。 ここからは一直線に下方が見えるのでその長さにチョッと嫌気を感じてしまう。
 振り返れば上空には青空がまだ広がり春を待つ木々の枝先に新芽が膨らみ始めているのが目に入ってくる。
 『もういい加減に下りは疲れたワッ』と家内がブツブツ文句を言い始めた頃この防火帯は行き止まりになり左に逸れると林道に合流した。
 (まだ下り始めて1時間程なのに結構疲れる道だった気がする。)
 この林道を越えるともう一度防火帯の道を少し進み駐車場方面の標識に従い歩いて行くと今朝程歩いた登山道に合流する。
 あの朽ち掛けた家々の点在する林の中の道を歩いていると小鳥達が飛び交い春の訪れを楽しむように囀りつつ枝から枝へ飛び交っている。
 私がカメラを向けて遊んでいると何時の間にか家内は先に行ってしまいこの林の中に私だけ一人取り残されてしまったようだ。(笑い)

 見捨てられ朽ちかけた家、放置されて錆付いた車の残骸、山を愛し亡くなられた老登山家の碑とこの山歩きは人が始めた事の終わり方、後始末について
 考えさせられた山歩きになってしまった。(たまにはこんな事を真剣に考えてみる事も大切だと思う。)
 「茅ヶ岳、つわものどもの夢の跡」なんちゃって・・・・そんなところかナッ!!(合掌)

 駐車場まで戻ると既に家内は装備を解いて、登山靴の底にこびり付いた泥を一所懸命そぎ落としている。(苦笑い)
 前回、乗鞍高原の雪道で綺麗になっていた登山靴がドロドロになってしまい私も横に座って一緒に土をそぎ落とした。(幕山は低山用の別の靴を履いていたので・・・)
 そう言えば今日は山頂で会ったグループ以外の人と誰とも出会わなかった。(まだこの辺までは人が出てこないのかナッ!)
 3月の声を聞くとキットまた団体登山が増えてくるのだろう。
 今日も結局昼食のお弁当を食べなかったので非常食用に買った菓子パンを口に入れて自宅まで戻る事にした。
 帰宅後、ゆっくりワインを飲みながら往きに双葉SAで購入したお弁当を食べた。(コンビ二弁当は自宅で食べると流石に美味しくないものだが、このお弁当は違う!)
 家内が『このお弁当だと残っても自宅で美味しくいただけるので経済的だワッ』と言って笑っている。

 来週からいよいよ3月になってしまう。
 今回の茅ヶ岳も、もう少し雪があると思っていたら全然無くて春山歩きになってしまった。(苦笑)
 最後の雪遊びを何処にしよう・・・・・もう一度、八ヶ岳、いややはり山小屋周辺まで足を延ばそうか?今年は何処も雪が少なそうだし、春分の日が連休にならない。
 ウ〜ムッ悩ましいところだ。
 大町の友人からは歩くスキーのお誘いが来ていて「小谷方面」と書いてあった。それも魅力だナッ!
 今年は職場も大きく変わっていて休暇が取れそうもないのも頭が痛い!!


2007年2月17日(土)
幕山 標高 : 625m (神奈川県の山)

【山頂にて】

【梅園の中を抜けて】

【好物のみかんを手に】
・ここの所良いお天気が続いていた週末のお天気のサイクルがずれて来ている様だ。
 マアッ人間が勝手に決めた一週間に自然現象が合わせてくれる訳でもないので仕方が無いことなのだが・・・・。
 今度こそ週末はユックリしたいと言っていた家内の願いが天に通じてしまったのだろうか。(笑い)この週末は見事なほど土日に雨のマークが並んでしまった。
 それでも、金曜日になるとお天気の崩れが土曜日の午後からに変わり午前中は持ちそうだと言っている。
 サアッ何処へ行こう!!先週末の帰宅途中に見た梅の花が気になり、ヤハリ春の山歩きもして見たくなって来た。
 そうなるとヤハリ”春告げ山”として幕山がどうしても頭の中に浮かび上がってくる。(最近ご無沙汰だったかナッ)

 こうして考えてみると私は本当に贅沢な所に住んでいるものだとつくづく思う。
 この日本の四季の移り変わりと気候、地形には感謝しなければならないことだろう。(本心)
 雪を見たければあっちに・・・・花を見たければこっちにと自由に選択し、しかも日帰りで楽しめてしまうなんて世界中探してもそうあるものではない。
 日本の自然は本当に素晴らしいものだと改めて感心してしまう。

 土曜日の朝、起きると金曜日のあの快晴は終わりを告げ、空には雲も多くなっているもののどうにか青空も残っているので嬉々して自宅を出発、久しぶりに厚木経由で
 小田原道路に入って行く。
 この道も以前は細切れに料金所があり小銭を頻繁に用意しなければならなかったのにETCが出来たおかげで煩わしさからは開放されたようだ。(決して推奨している訳ではないが)
 小田原を過ぎると本当に久しぶり?なのだろう・・・太平洋のノッタリとした水平線が目の前に広がってきた。
 薄日だが朝の光を受けて小さな波頭がキラキラと輝きその中を漁船が漁に出掛けて行くのか?航跡を残して沖合いへ向かって行く。
 家内が『あれはキット釣り船ヨ。私のお友達でも海釣りにハマッている人がいるけど・・・私はダメだワッ』と言って笑っている。
 確かに女性の趣味への進出はゴルフに始まり、釣や山もそうだが今まで男の領域とされた分野にも及んできているようだ。
 お料理やお稽古事からもう一歩積極的になってきているのかナッ??2007年問題以降はもう少し顕著になってくるのかも知れない。
 有料道路(ここだけ料金所が現金なので慌てる!!310円)から国道に出て直ぐ右折し梅園の案内図に沿って山の方へ走って行けば間もなく駐車場に着く。
 ここは帰りに混雑するのでなるべく手前の駐車場をと思い空いている(一台だけ止まっていた)所に車を入れて歩く準備に取りかかった。
 しばらくすると、係りの人が来て、まだここは開けていなかったのに・・・と笑いながら話し掛けてきた。
 『すみません!帰りが込むと思ってなるべく手前の駐車場に置きたかったものですから・・・・』と謝ると『何度も来てくれているのかい?、帰りに駐車料金を払えば良いヨ!
 気をつけて!』と見送ってくれた。

 川沿いの林の中の小路を歩き湯河原梅園入り口の橋の袂まで来ると小さな小屋が出来ていて入園料200を徴収されてしまった。(何時から有料になったのだろう??)
 私は別に文句は無いのだが(これだけの手間を掛けているのだから・・・)ただ、ドンちゃん騒ぎの基金になるのならチョッと複雑な思いもする・・・。
 『梅基金の募金箱では払う人がいないので強制的に集金するようにしたのネッ』と家内が財布から小銭を出して入場券を貰ってきた。
 橋を渡ると売店が並び開店の準備に忙しそうにしている。(早いナ〜ッ)。
 梅の花は七部咲きと聞いていたが・・・まだそれ程でもないように見える。(今年は私の住んでいる相模原の方がもっと咲いているような気もするが・・・不思議だ。)
 梅園の中の散策路を歩いて行くと木々の中を小鳥達が盛んに囀りながら飛び交っている(彼らも春を待ちわびていたのだろう。)
 カメラを構えても中々構図の中にジッとしていてくれない。(笑い)
 その内、下から”オバサン軍団の話し声”がして来て小鳥達も遠くへ飛び去ってしまった。(ヤバイ!!)
 私はこのだみ声で話し続ける”オバサマ・グループ”が苦手で自然と逃げるように歩くスピードが上がってしまう。(苦笑)。
 家内が何時もの事と笑いながら『折角200円払ったのにまだ130円分位しか楽しんでいないワッ』と後ろから私に話しかけながら付いて来る。
 私が逃げるように梅園を抜けて静かな登山道に入って行けば眼下に真鶴半島が春の光を反射した海へ突き出すように延びているのが見えてきた。
 そんな道を歩いて行くと『ネェ、貴方の”オバサンの声嫌い”はどれ位嫌なの?』と家内が呆れたように話掛けてきたので、『そうだな!夏の夜に寝ている時に飛んでくる蚊の羽音の
 10倍位の不快感だネ』と答えておいた。(笑い)
 『そう!私達の声って不快害虫って訳・・・・・』と、チョッとご機嫌を損ねてしまったようだ。(危ない!危ない!)・・・敵を一杯作ってしまったかナッ!!
 (でも。品の良いご婦人は好きですヨ。)

 まだ冬枯れの木々に囲まれた道をジクザグと歩いて行くと周囲が低木に変わり、やがて枯れ草に覆われた山頂広場にやってきた。
 今日はチョッと出が早かったのかナッお蔭様で山頂には誰も居なかったので海を眺めながらザックからバナナを取り出しユックリ休憩を取ることにした。
 ここの所、雪ばかりだったので地面に腰を下ろしユックリした記憶が無い!そのまま枯れ草に上に寝転がると見上げる空が広い。
 青空は半分くらい隠れてしまったが頬を渡って行く風も何処か柔らかくなっているような気がするのは気のせいだろうか?
 その内、一組のご夫婦が上がってきて、同じ様に枯れ草に腰を下ろして休み始めた。(静かな時間が流れて行く。)
 と、下の方から風に流されてあの”オバサン軍団”の声が聞こえて来た。
 私がガバッと起き上がると、家内は直ぐ出発の準備をして立ち上がっていた。(苦笑い)
 そそくさと山頂を後にする私達を、先程来たご夫婦が不思議そうな顔をして見ている。『お先に!』と挨拶して南郷山方面へ歩き出した私達の後を追うようにその一団が現れ
 そのご夫婦はたちまち囲まれてキョロキョロしながら見上げている。
 そんな姿を遠目に見ながら桜並木の整備されている下り坂に入っていった。(キット桜の頃はこの辺も綺麗なのだろう・・・・)。
 やがて道は人工樹林(杉)帯の暗い道に成って行く、すると前方の展望も無い道端で食事をしている4〜5名のグループが目に入ってきた。(不思議な所で休むものだ・・・)
 その横を私が通り過ぎようとすると『南郷山へ行くのですか?』と声を掛けてきた。『エエッそうですが?』と答えると『この先の道で良いのですよネ?』と念を押すように聞き返してくる。
 どうも、このグループはこの先の自鑑水(源頼朝が石橋山の戦いで敗戦しここまで逃げてきて泉に写る自分の恐怖に満ちた顔を見たと言う。)まで行って道に迷い、引き返してきたようだ。
 過去の記憶を元にコースをお伝えすると、『そうだったんですか!!』と大変喜んで貰えたようだ。
 (そこそこの山だと私はそれ程親切では無いがここはハイキング・コースなので・・優しく対応)
 それを聞いていた家内が『良く細かく覚えているわネ!さすがヨ、私のビーグル犬は!』と変な褒め言葉を掛けてくる。(苦笑)
 確かに、このコースは大切なポイント・ポイントには標識が無くてチョッと不親切かもしれない。
 私達は彼らが何処で道を間違えたか?興味を持ちながら自鑑水を過ぎ・・・・一旦林道に戻って、南郷山への笹の中の直登に差し掛かって行く。
 ここが結構キツイのだ(笑い)最近、お腹が出て来た私は上りが辛くなってきていて家内にどんどん距離を開けられて行く・・・(冷や汗)
 こんな所で音を上げているようでは・・・と思うのだが・・・足が素直に上がらないのが悔しい!!

 程無く、山頂へ続く平らな道に出るとそこには既に家内の姿は無く先にサッサと行ってしまっているようだ(情けない!)
 山頂標識のある小さな広場に着くとザックを下ろし休憩体制に入っている家内がニヤニヤしながら私を迎えてくれた。
 その横に私も腰を下ろし、今日は珍しく家内が作ってくれたお弁当を出して昼食を摂ることにした。(こんな山で家内に遅れを取ることの悔しさを味わいながら・・・・でも美味しい!!)
 空は何時の間にか曇り空に変わってしまい吹く風も心なしか冷たくなってきたようだ。
 その後やってきた女性ばかり(中年)のグループが加わり山頂は急に賑やかになってしまった。
 そのリーダーらしい人のトンチンカンな話の内容が耳に入ってくると思わず恥ずかしくて下を向きたくなってしまい家内の顔を見る。
 私は別にベテランぶっているのではないが、嘘はいけませんヨ!嘘はネ!。(笑い)
 何処かの”歩く会”に最近入ったのだろうその人がリーダーとなって今日皆を連れてきたのだろう・・・・張り切っている姿は微笑ましいのだけれども・・・マアッ良くある光景ではありますネ。
 そんな人達を置いて、私達は腰を上げて下山することにした。
 真鶴半島に向かって斜面を下って行くとこの道も結構荒れ始めているようだ。(雨で道が削られ数箇所崩れた跡も出来ている。)
 滑らないように注意しながら下りて行くと下から女子高生?を数人連れた先生が上がって来た。
 その娘達が振り向きながら『マアッ綺麗!ネ。』と発する声に、『確かに若い娘さんの声は耳障りにならないわネ!!。』と家内が納得したようにつぶやく。(笑い)
 それからは、続々と人が上って来るのとすれ違って行く。(ヤハリ、今日はこの辺は人出が多いのだろう。)
 ここの所、雪のある山ばかり歩いていたので気が着かなかったが、このような山?には相変わらず多くの人が入っていたのかも知れない。
 ゴルフ場の脇を抜けて、みかん畑のアスファルトの道に差し掛かると家内はそわそわしだしてお目当てのみかん販売所を探している。
 (家内はみかんが大好物で今日はこれを楽しみにしていた。)

 先ず最初の売店で一袋をキープ(何しろ100円なので)して、一安心したのだろう次からは吟味しながらそれぞれの品調べを楽しんでいるようだ。
 畑の中の道を過ぎると住宅街になり、梅園へ向かう裏街道を歩くことになる。(その横をタクシーが引っ切り無しに行き交う。)
 この沿道の家々の庭にはもう春の花達が競うように咲き誇っていて流石にここは温暖な土地なのだということを主張しているようだ。
 家内は試食用みかんが置いてある所で、一袋追加し、更に梅園入り口近くでもう一袋買い込み(とは言え300円の話だが・・・・)重たいと、私のザックにみかんの袋を
 ぶら下げられてしまった。(苦笑)
 梅園の中まで戻ってくると今朝程とは打って変わって多くの人出で賑わっているようだ。
 丁度、お昼にも重なったのだろう露店で買い求めたいろいろな食べ物を持って”お花見!”を楽しみながら過ごしているようだ。
 私達はそんな人込みを掻き分けながら駐車場まで戻ってきた。
 今朝はガラガラだった駐車場も既に満車状態で道には駐車待ちの車が列を作って並んでいる。(観光地はこれだから朝早いのが一番!!)

 帰り道、私は少し”海の幸”など味わいたかったが、家内が『この道は混むから早く帰ろう!』と言うので、少し後ろ髪を引かれる思いで帰路についた。
 今日はスッカリ”春を満喫して遊んでしまったようだ・・・・それにしてもこの程度のハイキングで足が重たいのはどうしたことだろう???
 そう言えば先週辺りから鼻がムズムズして鼻水が出るし頭もボーッとして来ている。
 もしかすると”花粉症”が早くも出てきてしまったのか?春が早いのは良いとしても”花粉症”はいただけない。
 これからGWまで苦しむのかと思うと気が滅入ってくるナ〜ッ!!(ボヤキ)
 ヤハリ、この時季は雪のある所へ行った方が花粉症の私には快適なのかも知れない。
 今週末のお天気はどうなのだろう・・・・段々春が近づくとお天気のサイクルも短く変わり、空も霞んでくるので近郊の山選びも難しくなってきている。
 
2007年2月12日(月)
乗鞍高原 標高 : 1800〜1500m (長野県の山)

【三本滝から林道を下る】

【雪がチラツキ・・・】

【大きな木の下で】
・朝五時半にセットしておいた目覚時計の音で目を覚ました。
 カーテンを開け、僅かに期待していた気持で窓の外を見上げると虚しくも雪が降り続いている。
 出来れば、朝焼けの北アルプスを見てから帰りたかったのに非情にも願いは天に通じず小雪が舞う中の出発になってしまうようだ。
 昨夜準備しておいた朝食を暖め軽く食べてから荷物を車まで運ぶ為に外に出ると折角踏み固めた道も雪に埋もれて膝下までもぐりながら往復を繰り返す。
 家内が室内の最終チェックをしている間に私は外回りの後始末をして、又来るまでの"留守番"を山小屋に頼み?(何時も話し掛けている)小屋を後にした。

 路面はツルツルに凍っていて慎重に車を運転して大町まで下ってくると空が明るくなり道路も乾いてきた。(雪が降っていたのは小屋周辺だけだったのか?)
 やがて、東の低い山並みから朝日が昇り始めると今日も常念岳の雪の頂が朝日を浴びて浮かび上がる。(ヤッタ〜ッ)北アルプス北部の山並みは相変わらず雲の中だ。
 これはヒョッとして当たり!だったのではと思い込み、早速コンビ二に車を止めて昼食や予備の食料を買い込んだ。
 はやる気持を抑えて(慎重に運転して)車を進め、上高地線に入ると正面の雲行きがおかしい!!まさか、まさかこんな青空が・・・・(不安感が脳裏をよぎる)
 そんな私の心配など気にもぜず『あの雲は乗鞍方面じゃない?』と家内が気分をさかなでるような事を言う。
 私の願いも通じず、梓川ダム付近まで来ると陽射しは途絶え曇り空になってしまった。(ヤレヤレ)
 前川渡の信号を乗鞍高原方面に左折し徐々に高度を上げて行くと雪までチラつきだして来た。(ゲ〜ッ)
 メインのスキー場前を通過して林道に入って行くと道は凍結路になり休暇村の駐車場に車を入れる頃には雪模様になってしまったようだ。(残念!)

 それでも、お天気の回復を期待して歩く準備に取り掛かる。
 カンジキをザックにくくりつけリフト乗り場に向かい一回券を二枚づつ購入して三本滝レストハウスまで二本のリフトを乗り継いで上がって行く。
 三連休なのにスキー客も少なく運休しているリフトもあるようだ。(やはりスキー客が減少しているのは事実なのだろう。)
 レストハウス前でカンジキを付けて先ず三本滝へ行って見ることにした。
 地図通りに"かもしかの径"入り口を探しても何処にもその看板が無い??勿論人の歩いた痕跡も見つからないので見当を付けて森の中に入って行くと木に赤いペンキのマークを発見!
 ルート・ファインディングをしながらフカフカ・パウダーの斜面を気持ち良く下って行く(最高!)
 しばらくして後ろを振り向くと家内が付いて来ない・・・・少し待っていると『人が歩いていないので止めようヨ!』と言い出した。『OK、この目印が分からなくなったら引き返そう!』と約束して
 私が先になってもう少し先まで行ってみる事にしたした。
 やがて、斜面も急な下りになり雪が山盛りになった橋に辿り着いた。
 この上流だろうと思うのだが・・・・この時期にしては橋の下の川の流れにも水量があり雪を被った川原には何があるか分からないので降りて行く気がしない。
 今回はここで諦めよう。(又来ればいいサッ)
 今来た道を引き返しレストハウスまで戻って今度は東大ヒュッテへ向かう"小リスの径"の入り口を探すが、ここも良く分からない・・・・『ネェ又行くの?誰も歩いていない所を行くなら
 私はリフトで降りるから・・・・。』と家内のご機嫌が悪くなってきた。(苦笑)

 『分かった!分かった!今日は止めよう!その代わり林道を下るのでそれなら良いよネ。』と念を押すと渋々納得してくれたようだ。
 バックミラーの支柱が見えているし本来車道なのでそう迷うことも無いだろうと言うと安心して歩き出してくれた。
 ここにも誰も歩いて跡が無いものの柔らかい新雪が程よく積もっていて気持良く歩いて行ける。
 最初は乗り気では無かった家内も鼻歌交じりで先頭を雪を蹴散らしながら楽しそうに歩いている。
 一本目のリフト降り場の横を通過するとスキーの跡が出て来て先行者が居たことが分かり家内のご機嫌は直ったようだ。(笑い)
 東大ヒュッテ入り口の所から林間コースへとも考えたがそこにも踏み跡も無く、この林道歩きが結構気に入ったのでそのまま歩き続けることにした。
 夜泣峠の東屋まで来ると今日始めてこのコースで人に会った。空も幾分明るくなり青空も出て来たので家内も気分が乗ってきたようだ。
 ここまで来ると足跡も多くなり牛留池への林間コースにも人の歩いた跡があるので入ってみる事にした。
 巨木があったりで結構楽しめるし何しろ案内版が頻繁に出てくるので先ず迷うことは無いだろう。程無く牛留池への分岐に着いたので私だけチョッと寄り道・・・・・。
 池は当然凍結していて雪原と化した真ん中に誰が作ったのか雪だるまが一体万歳しながら私を出迎えてくれた。
 本来なら乗鞍岳を映すと言うロケーションなのだが生憎山はまだ雲の中でその姿を見せてはくれなかった。(昨年、五月の連休に見た山容を頭の中で合成して楽しむことにした。)
 その後、家内を追って休暇村に戻り駐車場で装備を解くとお昼の12時を少し過ぎていた。
 『渋滞が始まる前に早く帰ろう!』と言う家内の提案で車内で早々に昼食を食べ山を降りることにして車を出した。
 途中の駐車場は何処も満車状態で路肩にも結構車が止まっているので、やはり三連休なのだ!と改めて認識、これらの車達が帰路に着く前に何しろ先を急がなくてはと車を走らせる。
 松本ICから高速に乗り一路相模湖ICへ向けて上り車線に合流すると結構な量の車が既に走っている。(ヤバイかナッ)と思いつつも高速道路の渋滞情報はまだ出ていないようなので
 兎に角、行ける所まで休息も取らず走ることにした。

 岡谷JCで関西方面の車と分かれると東京方面は比較的スムーズで甲府までは順調に流れていた。
 今日の八ヶ岳は雲が多く、周辺の山々も先週とは比べようが無い景色が続いていて山の選択を逆にしなくて良かったと改めて思う。
 大月、上の原と言う渋滞のネックになる所もどうにか無事に通過できて無事、相模湖ICで高速を降りることが出来た。(良かった!良かった!)。
 相模湖駅前までの国道は多少混雑していたものの、ここまで来れば帰って来たのも同然なので後はユッタリした気分で車の流れに任せて運転して行く。
 車窓から見える旧家の庭先にはもう梅の花が咲き出している。
 今年はヤッパリ暖かいのだ!と実感させられる光景だ。
 二週続けて雪山を楽しんだので来週は趣を変えて”花見ハイク”でもしようかナッ<来週末も天気になァ〜レ!!>と祈りながら自宅まで車を走らせて来た。
 
 まだ明るい内に家に着き、ビールを飲みながら今回写真の整理をしていると、この連休に出かけた友人達が渋滞にハマッテ身動き出来ないとMailして来ている。
 フフフッ渋滞に対する経験が違うヨ!と私が言うと『それだけ痛い目に沢山合っていると言う事ネ!』と家内がまぜっかえす。
 確かにそうなのだが・・・・・授業料を多く払ったと言う事になるのかナッ(苦笑い)
 この連休はお天気には恵まれなかったものの”雪”は堪能できたので良しとしよう。
 それにしても、雑誌等ではスノーシュー特集が組まれ山用品店にも多くの商品が並んでいるのに今回は殆どそんな人達には巡り合わなかった。(しかも三連休なのに・・・)
 高ポッチは全く”0”人>あの乗鞍高原でさえ駐車場で2〜3人、コース上では誰とも出会わなかった(不思議)
 それぞれ、とっても良いコースなのに・・・・私の選んだ所がマイナーだったのだろうか。

 今年の三月は春分の日が連休にならない・・・チョッと残念だが、雪遊びのメインイベントをどこにしよう・・・・・もしかすると雪が消えてしまって残雪登山になってしまうkかも(不安)。
 標高や降雪量の多い所から幾つか候補を選んで様子をみることにしよう。
 
2007年2月11日(日)
山小屋にて 標高 : 約900m (長野県の山麓) 雪に降り込められて・・・・。

【小屋の窓から】

【一晩で埋もれた車】

【着いた日の夕暮れ】
・結局、昨夜は家内のベテラン主婦らしい有り合わせのお手軽つまみ&おかずが夕食代わりになり酒宴を続づけてしまった。(雪景色を見ながらのお酒は美味しい!!)
 その後、お風呂に入ると昼間の悪雪歩きの疲れも加わって早々にベットに倒れこむように寝てしまったようだ。
 国道の方からラッセル車の通る音が聞こえて目を覚ますと(昔から車を国道に置いていた関係で私はこの音に敏感!)まだ暗い(四時半)窓の外が雪明りで明るくなっている。
 ベランダの手すりには新雪が積もり木々がスッカリ雪化粧しているのが目に入ってきた。
 僅かな期待も裏切られて、予報通り雪になってしまったようだ。(今日はユックリするゾッと決めて二度寝体制になって布団に潜り込む。)
 次に空腹感から目覚めたのは六時を過ぎていてカーテンを開けると窓の外は銀世界が広がり、鉛色の空からは雪が絶え間なく降り続いている真冬の世界に逆戻りしていた。
 ストーブに火を入れコーヒーをドロップしながらそんな景色を見ていると二階から家内も起きて来て『何?この景色は!』と驚きながらも半分喜んでいるようだ。
 それは、雪遊びが出来る!からか今日一日ユックリ出来るからかはわからないのだが・・・・・(複雑な思い)。
 朝食を摂りながら天気予報を聞いてみると長野県北部は今日一日雪が降り続き夕方には上がるようなことを言っているが、北で発達する低気圧に向かって北西の風が吹き山沿いは明日に掛けても
 風雪が続くとの事!、家内がそれを聞いて『ここは長野県北部、山沿いになるのよネ。』と念を押すように私に確認をする。
 『ア〜ッそうだヨ。今日はダメだネ。久しぶりにユックリしようか?』と答えると『そうネ、最近ユックリしたことがなかったので今日は休息日にしましょう。』と言うので、それぞれ今日一日好きな事をして
 過ごすことに決定した。
 
 ユックリとした朝食後、私は二階の書斎でパソコンに向かい"物書きの真似事"と雑記帳に何年か振りに"お絵かき"のデッサンを始めて時間が瞬く間に過ぎて行く。
 時たま、階下に下りて降りしきる雪を見ながらお茶タイムを家内と過ごし、又二階へ・・・・・家内は借りてきた音楽CDを自分好みに編集したり、好きな小説を静かに読んだりと勝手に楽しんで
 いる様子だ。
 一度、車の上に積もった雪下ろしに外に出た以外今日は小屋の中で一日を過ごしてしまった。
 本当は、雪が上がって山が見えてきたら、少し裏山へ雪上散歩をしてから温泉にでも行こうと話していたのに雪は一向に止む気配は無く、時々突風のような風が吹いて、木々の枝に積もった雪を
 吹き飛ばして行く。
 そんな一日が終わりに近づいた夕方、やっと空が少し明るくなってやがてそのまま夜のとばりが下りて行ってしまった。(本当に静かな一日を過ごすことができた。)
 今日は、三連休の中日なのに午後三時頃からスキー場帰りの車が渋滞をはじめ、その赤いテールランプの列が雪原の向こうに光の帯となって夜になってもズ〜ッと続いている。
 この渋滞が解消されて車が流れ始めたのは夜、九時を過ぎていた。(そうか?この三連休の渋滞の恐ろしさ!を忘れていたようダ!!)
 天気予報も、明日も長野県北部は余りお天気が良く無さそうダ!(長野県中部、岐阜、山梨にはお日様マークが並んだ。)
 私が『明日もここはダメかも知れないし、この渋滞も嫌なので、早めに小屋を出て乗鞍高原にでも寄って帰らないか?』と提案すると『そうネ、翌日お仕事だし、昔みたいに渋滞の中を帰るまでの
 情熱は無くなったわよネ。』と家内も賛成してくれた。
 夕食後、家内が今日一日掛けて編集・録音したMDを聞きながら少しお酒も入っていたのだが、そうと決まれば今夜中に小屋の後片付けを済ませてしまおうと一働きしてベットに入った。
     <窓の外にはまた雪が降り始めていてベランダに新たに積もり始めているそんな静けさの中で夜は更けてゆく。>
 
2007年2月10日(土)
高ポッチ山 標高 : 1664m (長野県の山)

【山頂にて】

【誰も居ない・・・荒野を行く】

【ひょうたん池付近】
・火曜日からの通勤は、一日短い今週も仕事は結構忙しく脳裏に焼きついた北八ヶ岳の光景をユックリ思い出す余裕も無く一週間が過ぎてしまったようだ。
 週間予報もこの三連休は見事に傘マークと山には雪マークが並んでしまっている。
 気分が萎え気味で金曜日を迎えると天気予報は僅かにお日様マークが顔を出し始めている。
 今朝、出掛けに『この三連休はユックリ過ごそうネ。』と言っていた家内の顔がチラリと頭の隅をよぎるが、あの雪景色も棄てがたい。
 一日の仕事が終わって最新の天気予報を見てみると山梨県が晴れマークに変わっているではないか!(狂喜!)
 ただ、日本海と太平洋上に二つの低気圧があるので、何故晴れマークになったのか?良く分からないのと、その後は強い寒気が南下してくるとも言っているので・・・判断に迷う所だ。(苦笑)
 帰宅後、家内にその話をすると『結局は山小屋へ行きたいのでしょ!天気予報が変わったのでそう言うと思って準備していたワ。この晴れ男が・・・・。』と苦笑いされてしまった。
 私も慌てて準備に取りかかり、早々に就寝することにした。

 土曜日、5時に目覚めて荷物を一式車に積み込む。登山道具以外に山小屋への雪道作りの為、長靴やカンジキ、食料など普段より量は多くなりトランク一杯になる。
 今日は予報通り、太平洋岸は雲が多いと言っていたが夜明け前の空もドンヨリとしているようだ。(シメシメ・・・・。)
 毎度のことになる相模湖ICから中央高速に乗り豊科ICを目指し車を走らせる。
 流石に三連休なのだろう、何時もの週末よりスキーやスノボーをルーフに載せた車が目立っている。(ただ大きな渋滞にはならず、どうにか流れているようだ)。
 夜がスッカリ明けても空は雲が多くて周辺の山々は見えない。笹子トンネルを抜けて甲府盆地に差し掛かってもその空模様は変わらなかった。(こりゃダメかな?と一瞬不安になってくる。)
 ところが、八ヶ岳SAを過ぎ中央道原付近まで来ると突然霧が晴れるように青空が広がり始めた。(ヤッタね!)
 しかも、諏訪から先の空も明るく遠く北アルプスの白い峰もかすかに見えているようだ。 ただ北部には雪雲がかかっているのか?余りお天気は良く無さそうなのでこの辺で少し寄り道をすることにした。
 霧ヶ峰か高ポッチの名前が頭に浮かんで来たので今回は冬にまだ行った事のない"高ポッチ山"を選んで見ることにした。(行き当たりバッタリの悪い見本!です。)
 塩尻ICで急遽高速を降り、昔の記憶を頼りに林道に入って行く。(何処まで行けるか??冬季通行止めはどの辺だろうか?)
 林業試験場の辺りで道を間違えたのか?舗装された広い道に出てしまい終点まで行くとJAの宿に突き当たってしまった(ヤレヤレ!やはり下準備してこないとダメだナッと反省)
 サアッどうしよう・・・と思案に暮れていると、従業員専用駐車場に車を取りに来た"ご婦人"「お姉さん」(親切にしてくれたので・・・・)が、『高ポッチへ行くんですか?』と声を掛けてくれた。
 『お天気が良さそうなので、急遽来てしまったのですが・・道を間違えたようで・・・。』と答えると、『ここから行けますヨ。』と登山口を教えてくれると同時にフロントまで行ってコピーした地図まで下さった。
 しかも、マーカーでその地図上に印を付けながら、『こちらが以前からあったルートでここが最近出来たコースなのでグルッと廻ると良いでしょう。』とガイドまでしてくれたのだ。(感涙)
 家内は丁寧にお礼を言ってから、サッサとその地図を自分のウエストポーチにしまい込んでしまった。(このようなケースでは私を全く信用されていないので・・・・。涙)
 
 車に戻り、歩く準備に取り掛かる。(今回はスノーストック、6本爪アイゼン、ワカンをザックにくくりつけて・・・)
 その建物の前を通って登山口の標識に従い裏山の雑木林の中に入って行く。しばらくは葉を落とした落葉松林の道を日溜りハイクの雰囲気で歩いて行ける。
 徐々に道の上に雪が出てくると鹿だろうか?動物の足跡も沢山出てくるが、人の足跡が全く無い??
 一旦、林道(車のまだ新しい轍がある)に出て地図通り左に歩くと直ぐに展望台への分岐の看板が出て来た。(これが新しい道らしい。)
 この谷筋のルートには全く人の歩いた形跡が残っていないのでもう少し進み本来のルートから登ることにした。(先程の"お姉さん"の推奨コースは今回見送り。)
 やがて、林業センターからの登山ルートとぶつかり本来の登山道に合流して山頂を目指すことになる。
 このルートは巾広く整備されているものの、ここも余りこの時季人が入っていないのだろう。雪の上に数日前の物か?僅かに足跡が残っているだけだ。
 高度を上げて行くと雪も段々深くなり、おまけに気温が高いせいで腐っていて兎も角歩きにくい。
 表面が少しクラストした上に下が緩んでいるので結構踏み抜きながらの歩きになりドッと疲れが出てくる。
 途中で、ワカンを装着して汗を掻きながら歩き続けて行く。
 登山道の傾斜が緩くなってくると木々を通しての頭上の青空が広がり気持は早くあの広大な山頂広場へ行きたいのだが・・・・足元の雪は益々重く深くなって来る。
 ひょうたん池付近までやっと辿り着いた頃には、かなり足にきていて今日は止めようか?とさえ思えてくる雪質だ。
 おまけに、この数日前に歩いただろう人の足跡が変に凍って硬くなっていて余計に歩きにくい。(涙・涙)
 平坦な林を抜けると又林道に合流して正面に鉢伏山が見えてくると山頂は近いのだが・・・・この道も変に轍の跡が固まっていてワカンが引っかかりここでも苦闘しながら歩くことになってしまった。
 それからヤットのことで山頂パーキングまで辿り着き、高ポッチらしい景色の中に立つことが出来た。(苦笑)
 こうなればあと少しと疲れた身体に鞭打つように小高い山頂へと向かって行く。(ここでも時々踏み抜きをして悪戦苦闘を繰り返す。)
 『雪山って、あの八ヶ岳みたいな良い雪ばかりでは無い事をあの人達に教えてあげたい!』と家内がブツブツ文句を言いながら自分を励まし先行して進んで行く。(苦笑)
 そして辿り着いた山頂は・・・・ヤッパリ気持が良い物だ!霞んではいるものの北アルプスの山々も常念辺りは薄っすらと見えているし眼下には諏訪湖も・・・・・八ヶ岳や蓼科山はボンヤリしているが
 その分、鉢伏山の白い斜面が青空をバックにクッキリと見えていて、なにしろこの雄大な白い大地の真ん中に立てたことに満足感が胸を満たしてくれる!。
 それにしても、2時間のコースに3時間も掛かってしまったとは・・・・(ヤレヤレだ。)
 この景色を本当に二人だけで独占して楽しみながらしばしの休憩を取り時間を過ごす事が出来るなんて・・・・・(幸福感一杯)、
 ここまでの道のりにもこうしている山頂付近にも人っ子一人いない事の方が不思議な位だと思う。(三連休だしスノーシューはブームだと言うのに・・・・ネ。)
 
 しばらく、こんな景色を楽しいんでいると身体が冷えてきたので山頂下の休憩小屋で軽く昼食を摂ってから下山することにした。
 帰路をどちらにするか?迷ったが、結局誰とも会わなかったので知らないルートを行くのは諦めて来た道を引き返す事にした。(又あの道を歩くのかと思うとあまり乗り気にはならない事も事実だが・・・)
 広々とした山頂付近はそれでも気持が晴れるのだが・・・樹林帯に戻ってしまえば後はただただもくもくと下ってゆくだけだ。
 今日の暖かな陽射しと気温はそれでも雪を溶かしていたのだろう。途中まで降りてくると明らかに上り時より少なくなっている。
 家内が『雪山専用の靴を汚したくない!』と笑いながら私に話し掛けてくる頃には下の林道まで戻っていた。
 あの落葉松林の中の道へ入れば後もう少し・・・・ホテルの建物が見えてくれば今日の山歩きは終盤となる。(今日は本当に疲れた!)
 日帰り入浴をと楽しみにしていたのに少し時間が掛かりすぎてしまったのと、建物に近づくにつれカラオケを楽しむ人達の歌声が聞こえてきたので今回は遠慮することにした。

 『山小屋には明るい内に着きたいしネ。』と訳の分からない言い訳をしながら、行きに親切にガイドしてくれた"お姉さん"に寄らなくてごメンナサイ!と頭を下げてこの駐車場を後にした。
 塩尻北ICから再び長野道に乗り豊科ICを目指し車を走らせる。
 車窓から常念、燕、餓鬼岳が見え、やはりこの山容を見てしまうとここまで来た甲斐があったと変に納得!更にその先の山々はと目をやると・・・残念ながら爺ヶ岳から先の北部は雲の中だった。
 豊科から大町へ向かう安曇野の道沿いにも雪は無く何処か春の匂いまでしている位でここでも雪は少ないようだ。
 何時もの二月とは大違いで雪の無い大町を過ぎ、木崎湖畔まで来ると何時もならみるみる増える雪も今日は無く土手には土が出ている。
 中綱湖まで来るとどうにか冬景色になり『今日は何処まで車か入れるかしら?』と家内が楽しげに私に話しかける。
 今年の中綱湖は薄氷は張っているものの色が違いワカサギの穴釣は解禁にはならなかったそうだ。
 国道から逸れ山道に入っても道は乾いていてラッセル車が小屋の前まで入ってくれたのだろう結局小屋まで辿り着けてしまった。(こんな年は始めての経験だ!)
 ただ、流石に敷地までは入れないので長靴に履き替えて小屋までズボズボと雪に足を取られながら荷物を運び込んだ。
 家内はその後、小屋の中の暖房を入れ水出しや細々とした仕事があるので私は外回りの準備を終えてからスコップを持ち出し車を止めるスペース作りの為道に戻った。
 <行き止まりの道なのにラッセルが入ると抜け道だと思って入ってくる車が多くてUターンするのでぶつけられると心配なので・・・・時にはスタックして助けを求められることもあるし。>
 一度解けた雪は重く一汗掻いてしまい、どうにか一台分のスペースを確保して私もヤット小屋に入った。
 山歩きとこの雪掻きでスッカリ喉も渇きビール、ビールと家内に所望して早速乾杯に移ってゆく。(極楽!極楽!)
 太陽がアルプスに掛かる雪雲の中に隠れると途端に辺りは暗くなり燕から大天井付近の空を赤く染めている。
 やがて、スキー場のナイター斜面の上に一番星が輝き出した。(もしかして明日は晴れるのかナッ??との僅かな期待も胸によぎらせながら・・・・)
 こうして連休初日の夜は更けていった。
 
2007年2月4日(日)
入笠山 標高 : 1955m (長野県の山)

【山頂にて】

【歩いた八ヶ岳を眺めながら・・・】

【入笠湿原にて】
・渋の湯の駐車場を後に、先程教えて貰った温泉に寄ってみると日帰り入浴が1500円とのことだったので、家内と顔を見合わせ止める事にした。
 (毎週のように山に行っている我々には高すぎるので・・・・・苦笑)
 二人で3000円も払うならステーキ・ランチでも食べた方がまし!という事にになり麓まで車を走らせて行く。(貧乏人根性丸出しにして)
 所が、このシーズン結構お店が閉まっていておまけに時間も早いので適当なお店が見つからない。
 その内、振り返れば雲ひとつ無くなった八ヶ岳が青空をバックに私達の目の前にその姿を見せ付けている。
 こうなると、このまま帰宅してしまうのが勿体無い!と言う事になりもう少しこの景色を楽しもうか?とどちらとも無く言い出した。
 そうなると、昨年末登って、展望が楽しめなかった”入笠山”が目の前にあることが思い出される。
 『行ってみるか?』と私、『そうと決まれば、ステーキ・ランチは諦めて、非常食用のパンを食べましょう!』と家内。こう言う時は何故か息がピッタリ合ってしまう。
 適当な路肩の広場に車を止めて早速、そのパンでお腹を満たし一路、入笠山登山口を目指すことにした。
 諏訪南ICの前を抜け国道20号線を少し走ってから登山口への林道に入って行く。
 集落を抜けると道は凍結路になりやがて駐車場に着く。(こんな良い天気なので先客が居ると思ったのに2台しか止まっていない????)
 『この時期、この山には余り人はこないのかしら?』と家内がいぶかしがりながら呟き、『結局、私達って異常よネ!』と言って笑っている。(確かに、同感ダ!!)
 一度、解いてしまった装備を再び身に着け、登山道に取り付くと気持は行こうとするのだが、体が「またかヨ!」と言う様に重たく感じて一歩一歩が素直に足が上がらない。(苦笑)
 道は直ぐに雪道なり6本爪位のアイゼンは欲しい所だが・・・・12本爪しか持っていないのでもう少しこのまま歩いて行くことにする。
 その内、体も温まってきて何時ものペースの戻ってくると木々の間に飛び回る小鳥達の囀りも聞く余裕も出てきたようだ。
 それにしても歩いている人の足跡が少ない??おまけにその足跡も段々消えてきて僅かなトレースだけになってくる。
 本当に誰も来ない山なのか?とそんな事を考えながら樹林帯の中の道を進んで行くとやがて木々の間から入笠湿原の白い広場が見えて来て人の声も聞こえてきた??
 私達が林の中から湿原に入って行くと、これとは反対方向へ多くの人達が行き交っているルートがあることが分かった???『アッそうか!スキー場のゴンドラを
 使って皆来ているのか?』
 と私が言うと『何故、直ぐにそれに気がつかなかったの?山小屋周辺では何時も使っているくせに・・・・。』(八方、五竜、栂池の事)。と家内が私に非難の目の視線を送ってくる。
 『もっとも、私達って温泉も高いからって諦め、ステーキ・ランチもパスして最後はゴンドラ代までケチった貧乏登山だと思えばピッタリだわネ。』と皮肉タップリに私に言う(苦笑)
 別にケチった訳では無く、本当に頭にその考えが浮かばなかっただけなのに・・・・・(シュン!)
 ここからは林道を歩き、マナスル山荘の前から再び登山道に入る。 斜面の傾斜が少し急になってきたのと雪面が硬くなってきたのでここでアイゼン装着。
 徐々に高度を上げて行くと背後に八ヶ岳がその姿を見せ始めている。
 今日はこの時間になってもまだ雲が湧いて来ないようで午後の陽の光を受けた雪の峰が綺麗に見えている。(先を急ごう・・・。)
 急坂との分岐もそちらを選ぼうと思ったら冬季は通行止めになっているようなので巻き道を進む。
 頂上直下の急坂はさすがにチョット足にきているのか?堪えた・・・ただその一歩一歩毎に姿を現す周辺の景色に勇気付けられてとうとう山頂までやってきた。(バンザイ!!)
 それは、将に360度の展望で、先ず正面に先程まで居た八ヶ岳の全貌が広がり、その左には蓼科山、霧ヶ峰、美ヶ原と続き、その背後に北アルプスの白馬、鹿島槍、
 眼下の諏訪湖越しに常念、槍、穂高と北アルプスの主峰群が連なっている。
 乗鞍、御岳と目を転じ中央アルプス、木曽駒ヶ岳を最後に一旦山が切れて、この山の連なりの先には今度は南アルプスの主峰群、仙丈、北岳、甲斐駒に鳳凰三山がドンと構えいた。
 そして東側の開けた空にはやっぱり富士山がその存在を見せつけていて、甲府方面に目をやれば金峰山や茅ヶ岳と連なり最後にもう一度八ヶ岳へと戻ってくる。
 前回、この展望が見られなかった分、余計に嬉しくなってなんども何度も写真を撮って楽しんでしまった。(苦笑)
 『今日、天狗岳に風が吹いていなかったら悔しい!!』と家内が呟く・・・・『そんなことは無いサ!』と私が慰めを言うと3月のお天気が良い日にもう一度行くんだ!
 と勝手に決めて悪戯子のような目を私に向けてきた。(苦笑)
 ひとしきり、景色も楽しめたら急に空腹感が襲って来た様なので下山を開始し、マナスル山荘で何か暖かい物を食べることにした。
 山荘に入ると大きな薪ストーブが焚かれていて感じ良い雰囲気が漂っていたのだがメニューは山菜そば位しかないと言う。
 暖かければ何でも良い!と言うことで早速2つ注文して待つことにした。
 出来上がった”おそば”は期待以上に美味しく!おまけで付いてきた”野沢菜”もこれまた絶品だった。(本当です。)
 私の山小屋のご近所で何時もいただいていたのに、その方が山を降りてしまったので最近自家製の野沢菜漬けを食べていないからかナッ??
 台所で作ってくださった割烹着姿のおばあチャン!ごちそう様でした。と心の中でお礼を言って山荘を後に少し傾きかけた日差しの中を湿原に向かって下って行く。
 ゴンドラを使うので余裕があるのだろう、午後になってこの時間でも結構まだ人が残って居る。
 私達はそんな人達を横目に湿原を横切り再び樹林帯の中の道に戻って静かな山道を下って行くことにした。
 二月に入り陽も幾分長くなってきたのだろう、明るい日差しを受けて木漏れ日の中、雪の道をアイゼンも外さずに結局駐車場まで帰ってきてしまった。(横着にも・・・)
 駐車場の車は入れ替わっていたがまだ三台程止まったままになっている。
 この位の距離ならゴンドラを使わずに歩いた方が山頂に立った時の満足感はあるのでは・・・と少し意地になって私が言うと家内もまんざらではないように頷く。(負け惜しみか?)
 それにしても、八ヶ岳から降りてきて又上るにはチョッとやり過ぎかもしれないネとお互いに顔を見合わせ笑ってしまった。
 前回のリベンジも果たせ、雪の美しい八ヶ岳を堪能して今回の山歩きも無事終わり車を出して、諏訪南ICから中央高速に乗せて一路、相模湖ICまで運転して行く。
 車窓から眺める山々は今日は何時までもその姿を見せてくれていて後ろ髪が惹かれる思いだ。
 今日、山を歩いた人々は誰も彼も満足して家路についた頃だろう。
 私は明日は代休なので多少遅くなっても気分に余裕がある。そして明日はどんなに快晴でも家でユックリ過ごせるだろうと思うほどタップリと山歩きを楽しませてもらった。

 来週は、二月の3連休になる。お天気次第では久しぶりに山小屋へ行こうかナッ!
 今年は雪も少ないので小屋の事は何も心配は無いのだが・・・それでもこうして雪景色を見てしまうとヤハリ恋しいような、懐かしいような気分になってきてしまう。
 来週も”天気になぁ〜れ!と祈りながら私は自宅に向かい運転をしていった。

2007年2月4日(日)
高見石 標高 : 2249m (長野県の山) 

【山頂にて】

【中山から天狗岳を振り返る】

【賽の河原にて】
・朝五時に腕時計の見ざましで目覚めるが、まだ小屋の外の風は収まっていないようだ。
 今日はユックリ出発しようと決めてしばらく布団の中でまどろんで時間を過ごした。
 六時からの朝食を頂いて、少し明るくなってきた外の様子を見てみたが雲に閉ざされた空はどんよりとして風も収まっていないようだ。
 こうなると、とたんに私の行動が鈍くなってくる。
 それでも、次々と準備を整えた人達が出発して行くので家内は気がきではない様子で私の顔を覗き込むのでそれでは『七時、出発にしよう。』と言うとホッとした様子で
 準備に取り掛かって行く。
 私も見習って準備をはじめるが気持ちが乗ってこないので中々捗らず結局七時二十分頃の出発になってしまった。(苦笑)
 小屋の外に出てアイゼンを装着、今日は高見石経由の下山なのでピッケルは使用しないのでザックにくくり付け家内はストックを使うことにした。
 風も幾分弱くなってきているような気もするがピリッとした刺すように冷たい空気は相変わらずのようだ。(小屋の前の大きな温度計を見ると−18℃を示している。)
 軽く準備運動をして体を少し温めてから出発、最初の樹林帯に入ると霧氷が美しい!!中山峠から天狗岳とは反対の方向へ進路を取り、昨日私だけで
 写真を撮りにきた展望地まで来たが
 今日は雲に覆われて全く視界が無い。(昨日、写真を撮っておいて良かった!!)
 東の空が少し明るくなってきた様子だが樹林帯の中の道を進んで行くので風の音はするもののそれ程寒さは感じない。
 道も昨日同様良く整備されトレースもシッカリ着いているので道に迷うことも無いだろう。
 中山の開かれた斜面に差し掛かると一瞬雲が切れ天狗岳がその姿を見せてくれた。(家内にまたお出で!と別れの挨拶をしてくれたようだ。)
 もう少しハッキリとした姿を見られるか?と待ってみたがその後は再び厚い雲に覆われてしまったので諦め先を急ぐことにした。
 中山山頂を過ぎ一旦樹林帯を抜ける広場に出ると枯れ木に”えびの尻尾”が出来ていてその彼方に今度は浅間山が雲の切れ間に顔を出すようになってきた。
 だいぶお天気も回復してきたようだ。(予報より少し回復が早いかナッ!)
 その先の下り道になると又樹林帯の中に入ってしまい展望はほとんど利かない。ただ頭上には青空が広がりつつあるのは確認できる。
 傾斜が緩くなり白駒池への分岐を過ぎれば直ぐに高見石小屋に到着してしまった。(早過ぎるので小屋へは入らず、黒百合ヒュッテでコーヒー券を頂いたのに・・・・。)
 そのまま、裏手にあるピークへ行くことにした。
 ここは夏に来た時には岩がゴロゴロした間を抜けるようによじ登った記憶があり、覚悟をしたのに、その隙間を綺麗に雪が埋めてくれて簡単に登れてしまった。(あっけない!)
 何時の間にか空から雲はほとんど消えて、眼下の白駒池、浅間山、北八ヶ岳のシラビソの原野越しに北横岳、蓼科山の展望を楽しむことができた。
 ただ残念な事に、このピークは南八ヶ岳、北アルプス方面にはここより高いピークがあるので視界を妨げられていて見ることが出来なかった。
 一通り展望を楽しんでから小屋まで戻りこれからどうしようか?と思案していると昨夜黒百合ヒュッテでお話をしたグループと出会い、彼らが帰りに寄ると言う推薦の
 温泉名を聞いて私達は先に下山することにした。

 小屋の脇を抜け賽の河原への標識に従い再び樹林帯の中の道を歩いて行くと突然視界が開け、その賽の河原の上に出た。
 ここは木の生えていない本来なら岩がゴロゴロした斜面なのだろう・・・今はほとんどの岩が雪の下に隠れ風が抜けた風紋を作っている美しい斜面になっている。
 頭上の抜けるような青空とこの真っ白な雪の斜面の模様が何とも言えない素晴らしさで写真を何枚も撮ってしまった。(笑い)
 雪は良く締まりアイゼンの歯が気持よく噛み家内は快調に先行して下って行く、その先には中央アルプスの白い峰々が晴れ渡った青空にクッキリと浮かび上がってその姿を
 見せてくれている。
 この極楽地?を過ぎれば又樹林帯の中の道になり後はただただ道なりに下って行くだけになる。
 やがて、沢の音が大きくなり砂防ダムが見えてきて硫黄の匂いがしてくれば渋の湯登山口まで帰ってきたことになる。
 旅館の受付で預けておいた車のKeyを返してもらい駐車場まで戻り装備を解いて今回の山歩きの終止符を打つことにした。
 振り返れば、確かにこのコースは雪山入門編として良く整備された安全なルートに点在する通年営業の山小屋、素晴らしい展望の数々といえるだろうしそれを実感させて貰らえた。
 そしてこのルートに隣接する経験者向けコースの天狗岳は将に強風の中で家内の途中撤退と言う冬山の厳しさも教えてくれたようだ。
 想像以上に楽しませてくれた雪の北八ヶ岳、また近々来て見たいと思いつつ駐車場を後に下界への道を下って行くことにした。

2007年2月3日(土)
東天狗岳 標高 : 2640m (長野県の山)

【山頂にて】

【黒百合ヒュッテに到着】

【沈む夕日】
・先週の日曜出勤のご褒美なのか?この週末はお天気が良さそうだ。
 こうなると土・日にするか?日・月にするか?の判断だけの悩みになってきた。
 週間予報では木曜日からこの冬一番の寒気が入り土曜日の午前中には抜けると言っているし月曜日には雲のマークもあるようなので結局、土・日の一泊で冬の北八ヶ岳を楽しむことに
 決めた。
 以前から一度はと思いつつ中々行けなかった(イヤ!行かなかった)のだが、年末の西岳へ登ってから是非、是非とチャンスを窺っていたのだ。
 夏場に歩いていない場所なので一応、余裕を持って「黒百合ヒュッテ」一泊でノンビリ予定を組んでみることにした。(ガイド情報では初心者コース+天狗岳が経験者向きとなっていたので。)

 土曜日朝、何時ものようにも起きてユックリ朝食を摂ってから自宅を出発(今日の予定は渋の湯から小屋までの2時間半の上りだけなので・・・・)
 ただ、気になるのが今朝の予報では夕方から明日の朝に掛けて寒冷前線が北日本を通過し発達した低気圧に向かって風が強まると言い出したことだった。
 これも定番の相模湖ICから中央高速に乗って一路、諏訪南ICまで車を走らせ、またまた快晴の空の下を快適ドライブが続く。
 今年はスキー場の雪不足の為なのだろう車の流れもスムーズで富士山も南アルプスも良く見えている。
 甲府に入れば今日登る八ヶ岳もその全容を現し、私達を歓迎していてくれるようだ。(自分勝手な思い込み!)
 最近お気に入りの双葉SAで休息がてらお弁当(コンビに弁当よりズ〜ッと美味しい!)と非常食のパンを仕入れ諏訪南ICで高速を降りナビに導かれながら目的地の渋の湯方面へ
 走ってゆく。

 八ヶ岳の広大な裾野は広々としていて明るく何時走っても気持の良いものだ。などとチョッと油断をしてしまったら道に迷い別荘地へ紛れ込んでしまった。(グェ〜ッ)
 凍結路を彷徨い進路を修正しながらヤット温泉街道?の標識を見つけ車は徐々にも高度を上げて行く。
 やがて、道路標識にもハッキリと渋の湯の文字が出てきたので一安心!(今日の様に時間に余裕のある日はこんなドライブも新しい発見がありマアマアだネと家内に言い訳しながら・・・。)
 道が段々と細くなり雪道に変わると渋の湯の有料パーキングに到着・・・結構車が一杯で一瞬満車かと諦めかけたがどうにか一台分のスペースを確保できた。(ホッ)
 一日、1000円(チョッと高いかナッ!)の駐車料金を二日分払い、歩く準備にとり掛かる。(綺麗なトイレも併設されている。)
 旅館の建物沿いに川を遡り登山届けを出してつり橋を渡れば対岸の登山口に取り付くことになる。
 北側から尾根にアプローチするので陽の光は届かない分、雪が乾燥していて気持の良い道を進んで行くとあっさりと尾根筋まで上がれてしまつた。
 道は良く整備されていて夏道より歩き易いのだろう。快調に歩が進み休憩も取らずに歩いて行ける。
 ただ、ズ〜ッと樹林帯なので見晴らしが利く所はないようだ。
 尾根筋に入ってからの道は傾斜も緩く本当に歩き易く確かに雪山の初心者コースに推奨される理由が分かる気がする。
 歩き始めて1時間も過ぎてしまったのでそろそろ休息を取ろうか?と思う頃前方に明るい雪の斜面が見えてきたのでそこまで行こうと家内と話しながら歩いて行くが何時まで経っても
 樹林帯を抜けない。

 そうこうしている内に視界が開けたと思ったら"黒百合ヒュッテ"に着いてしまった。(笑い)
 ガイドブック地図では2時間30分の行程を1時間40分程で歩いてしまったようだ。(決して無理をした訳では無く、本当に歩き易い道だったので・・・・。)
 小屋に入り受付を済ませ、コタツをお借りして昼食を摂ることにした。(小屋のスタッフの方も感じ良く対応してくれるで遠慮なく過ごせる。)
 双葉SAで購入したとんかつ弁当を食べ始めると『ネェ、こんなにお天気が良いのに小屋の中でお弁当を食べているなんて勿体なくない?』と家内が突然言い出し、
 『半分にして山頂まで行こう!』と誘ってきた。
 私には全く異存はないので直ぐに、『そうと決まれば膳は急げ!』と言う事で昼食を途中で止めて出発の準備にとり掛かることにした。
 ここまではノーアイゼンとストック(家内だけ)で来ていたので、ザックに括り付けてきたピッケルを外し12本爪アイゼンを出して小屋の外で装着する。
 ついでに手袋も雪山用に変えてから中山峠へ向かった。
 ここでも殆ど平らな樹林帯の中の道を少し歩けば直ぐ中山峠に着いてしまった。(呆気ない程ダッ)
 そこで私は反対側の展望地へ向かい家内には一人で先に行くように伝えて一旦ここで別れることにした。
 この展望地は、そこだけ木が無く正面に天狗岳を望める一等地で写真を撮ってから来た道を引き返し家内の後を追うと樹林帯が切れた所で家内が待っていて
 『ここから先は風が強くて怖い!』と言って顔付きの変わっている。

 確かに、ここまで全くの無風状態(木々遮られていた)だったのだが、樹林帯を抜けると西風が強烈に吹き抜けている。
 おまけに、西斜面はなだらかな傾斜なので吹き上げ気味に側面からあおられて真っ直ぐ歩けない程ダ。
 しかも雪面の氷片を巻き上げて飛んで来るので顔に当たると寒さと痛さが混ざり合い目もまともに明けられない位な状態になっている。
 更にこれから先のルートは西側が絶壁になっているので吸い込まれそうで恐怖心さえ覚える。
 案の定、家内が『怖いから、この先は行かない!』と言い出した。
 こうなると、家内の性格から梃子でも動かなくなる性格なので前方に聳える天狗岩まで行って帰ろう!と言う事にした。
 少しは岩陰で風を避けられるかと思ったが巻き込む風は一向に弱まる気配は無い。
 今回はここまでとして帰ることにしよう!と私が言うと『折角だから貴方だけ行って来て!』とお許しが出たので安全そうな所に家内を待たせて行ってみることにした。
 この天狗岩の急坂(10m位)を過ぎれば、実は傾斜も緩くなり何と言うことはなく山頂まで行けてしまった。(よっぽど家内を呼び戻そうかと思った位だった。)
 山頂では360度の展望とセルフで記念写真を撮ってから早々に家内の待つ天狗岩の下まで戻ってきた。
 今日は北アルプスも良く見えていてこの風さえなければ最高だったのに・・・・・と思うのだが、そう全てが上手くは行かないものだろう。(笑い)
 家内と下りに掛かると『この下りが怖い!と思ったのにたいしたこと無いわネ!』と少し元気になってきたようなので一安心できた。
 樹林帯の中まで戻れば先程までの風は嘘のように静まり抜ける様な青空と真っ白な雪の造形が私達の目を楽しませてくれる。
 小屋まで戻り改めてお弁当を取り出してビールを買って乾杯してからユックリ昼食を摂る事にした。
 『山頂へ立てなかったのは残念だったけど、もう一度風の無い時に連れて来てネ。』と家内のご機嫌も直りツマミを食べながら時間を潰して夕方を待つことにした。
 日の入りが五時十五分頃と読んで、夕食が五時半からなのでまだタップリと時間がある。(本来ならここでノンビリ過ごせば良いのだが・・・私は時間を持て余してしまう。(笑い))
 ビールと缶チューハイを追加してお借りしたコタツでウダウダと時間を潰す事にした。

 五時前になると家内がソワソワしながら夕日を見ると言って外へ出る準備をはじめた。
 他の人達は”寒いから止めておく”と言って小屋に留まるようで結局出かけたのは私達ともう一人の男性だけだった。
 確かに小屋から一歩出ると凄まじい風が吹き抜けている。(昼間と随分違い小屋の周りでさえ氷の粒が顔に当たって痛い!!)
 小屋の前の小高い丘へ続く踏み跡を辿り一歩一歩進んで行くと更に風は強くなる。
 風に流されないようによろけながら、この丘の天辺までどうにか這い登ると双子の天狗岳の姿が一望出来、遥か彼方の御嶽山方面に夕日が落ちようとしている所だった。
 本当日没までには未だ十五分程あるのだが寒さと風の強さに負けて家内は先に降りたい!と言い出した。
 先に来ていて三脚を立てカメラを構えようとしていたオジサンも風が強くて固定出来ないと言って降り始め、もう一人の男性も続いて降りて行ったので『あの人達の後をついて行け!』
 と家内に指示して、私だけがこの頂きに残ることになった。
 陽は傾き天空を赤く染め始めると更に気温は下がり風も強くなってくる。
 おまけに、その日没方向から吹き付けてくる風に目が開けられずファインダーを覗くことが出来ない。
 立ってカメラも構えられないので岩陰に隠れて左手で岩にしがみつき右手だけでシャッターを数枚押した。
 オートと手ぶれ防止が何処まで効果があるか分からないまま、この幻想的な日没のシーンを夢中になって追いかけていたようだ。
 やがて太陽が完全に地平線の彼方にその姿を隠してしまうと一気に辺りが暗くなり始めた。
 寒さに顔がコワバリ、手もカジカミ半分感覚が無くなり掛けている。(インナー手袋の上に冬用手袋をしているが写真機を使うので雪山用の手袋はザックの中)。
 小屋へ戻る踏み後もブリザードの様な風雪に掻き消され先程先に帰った家内達の足跡さえ無くなってしまっていた。
 強い風に流されながら小屋から漏れる暖かそうな明かりを頼りに斜面を下り入り口のドアーを開けて中に入ると、とたんに風の音は途絶え暖かい空気に包まれ一変に眼鏡が曇り何も
 見えなくなってしまった。

 ストーブの近くまで行って眼鏡を乾かしながら上着を脱いで衣文賭けに懸けていると家内が近くまで来て『どうだった?綺麗な写真は撮れた?』とあきれたような顔つきで話し掛ける。
 『どうだか分からないヨ!、何しろあの風の中だから・・・・・』と私。
 それにしてもこのカメラは良く動いてくれたものだと褒めてあげたい。(カメラケース代わりのウエストポーチにホカロンを入れ、バッテリーは満タンの物と変えていたとは言え良くシャッターが
 切れたものだと感心する。)
 『貴方も一旦言い出すとシツコイからネ!』とヤット笑顔になった家内は少し心配して待っていたようだ。
 小屋のスタッフから『夕食の準備が出来ました!』の声に導かれて指定されたテーブルに座って暖かい味噌汁を口に入れると生き返ったような気持ちになる。
 悴んだ手の感覚が未だ戻っておらずお箸が上手に使えないのでお茶碗を両手で包むように持ってしばらく温めてから食事にすることにした。
 それにしても小屋泊まりとはありがたいものだ!何もしなくてもこのように暖かい食事が出来るし後片付けもしなくて済む。
 今夜の泊まり客は20名位だろうか?ユックリと食事を楽しむことも出来て、しかも煩いグループも居ない。
 こんな雰囲気なら又山小屋泊まりで来て見ても良いかナッと思ってしまった。

 食事後もコタツで少し同席した方達とお話をして消灯(8:30)までの時間を過ごした。
 二階の寝床の大部屋もガラガラで私達夫婦は隅をアサインして貰って今夜はユックリ眠れそうだ。
 ただ、今日はたいした距離も歩いていないので疲れが無いので寝付けるか?心配しながら布団に入ると早くも寝入った人達の鼾が聞こえてきた。
 『今夜は負けだな!』と思いつつやがて始まった鼾、歯軋り、寝言!の競演を聞かされながら夜が更けて行く。
 外の風は益々激しさを増しゴーゴーと言う音をさせながら時々小屋を揺さぶっている。
 今夜はこの寒冷前線が抜け、明日昼頃には雲が取れると夕方の天気予報では言っていたが・・・どうなるか?そんな事を考えている内に私も夢の世界へ導かれていったようだ。

2007年1月27日(土)
乾徳山 標高 : 2072m (山梨県の山)

【山頂にて】

【鎖場を行く】

【扇平にて】
・今週の日曜日は年四回決められている出勤日になっている。
 その為、土曜日のお天気が気になっていたのだが、当初の週間予報では週末両日とも雨・曇りの予報だったので山歩きは諦めていた。
 金曜日、仕事が終わってからインターネットでお天気を確認すると山梨県にお日様マークが付いているのを発見!(私の願いが天に通じたのかと嬉しくなる)。
 今朝、駅まで送って貰う車内で家内が『明日は雨の予報だからユックリよネ。』と話していたのを思い出し慌てて携帯電話で明日の歩く山を探して置くように伝えておいて退社する
 ことにした。  
 自宅近くの駅で電車を降りてみると都心では降っていなかった雨が結構激しく降っていたのでヤハリ予報は外れたのかと少々ガックリしながら帰宅し玄関を開けると、家内が
 ニコニコしながら私を迎えてくれた。(???)
 昨年の初夏に上高地で撮った写真を「上高地アマチュアフォトコンテスト」に応募してあったのが入選したとの知らせを手にしてヒラヒラさせながら見せてくれた。
 雨に打たれ気分も滅入っていた私には嬉しい知らせとなり元気が出て来たような気がして疲れが取れて行く。(笑い)
 そして、あの素晴らしい景色の数々が脳裏に甦り改めて"山歩き"の楽しさを教えてくれたような気がした。
 私はこのHPでも書いているように決して写真が趣味と言う程でも無く、高級なカメラも腕も無いが山歩きで出会う情景を手当たり次第にシャッターを押して楽しんで
 いるだけなのだが・・・
 それでもその素晴らしい景色を一人でも多くの人に伝えてあげたいとの願いもありこの様な機会に恵まれた事を感謝したいと思う。(嬉々)
 もっとも、あの時の上高地は私の会社の友人達と行ったので、家内はお留守番だったのから『私はその景色を見ていない!』と少々お冠なのはご愛嬌なのだろう。
 ひとしきりそんな会話を交わしながら私が夕食を終えると、『ところで明日は何処に決めたの??』と切り替えされてしまった。(苦笑)

 サ〜テッ・・・・何処にしよう・・・・最近は中々候補の山が頭に浮かばない!!地図を見ながらあちこち探してみてもピンと来る所が見つからないので悩んでしまう。
 予想天気図を見てもどうして明日が快晴なのか良く分からない気圧配置になっているのも原因かも知れないのだが・・・・・。
 その内、頭の中で「乾徳山・乾徳山」とささやく声が聞こえてきた。
 『よし、明日は乾徳山に決めた!』と言うと、『この時季に何故2000m級の山ばかり最近は選ぶの??』と少々不満気に家内は答えながらも明日の準備に取りかかっていた。(苦笑)

 朝起きると昨夜の雨が嘘のように上がり夜明け前の暗い空に星が瞬いている。(ヤッタ!)
 荷物を車に積み込みそそくさと家を出発、一路中央道経由で勝沼ICを目指し車を走らせる。
 昨夜の雨は途中の道でも雪にはなっておらず丹沢や先週登った扇山の頂上付近が少し白くなっている位なので標高800m位から上だったのだろうか??。
 朝の光に満ち溢れた高速を順調に車は流れ大月を過ぎて笹子トンネルに入って行く。
 その闇を抜け甲府盆地に入ると????厚い雲に覆われた曇りの世界が私達を待っていた。(ガックリ・・・・)
 『ネェッ今日はこっちの山はダメなのじゃない!!』と家内が不満そうに私の顔を覗き込む。『・・・・・・。』行くだけ行ってみようと独り言を言いながら、どこかで朝の雲が盆地を
 覆っているだけなのではと期待していた。
 塩山駅近くのコンビにで昼食を仕入れ雁坂道に入り途中から大平牧場の標識(分かりにくく見落としそう)に従い林道に入って行く。
 しばらく進むと道に雪が見え初めて一台の先行車の通った後が残っていた。
 更に進むと舗装道が切れて荒れた道になり、積雪量も増えてくると突然雲を抜け車窓から朝の光を一杯に受けた雁坂嶺の山々が新雪を纏ってその姿を現してきた。
 その素晴らしい景色を眺めながらと言いたい所だが、道は狭く雪道なので4WDを直結に切り替え私は慎重に車を運転して行く。
 その助手席で家内は『綺麗ネ〜ッ』と感嘆の声を発しながら移り行く景色を楽しんでいるようだ。(クククッ)
 やがて、車の進行方向に今日登る乾徳山が真っ白な雪に覆われた大平牧場を麓に抱いて見えてくる。(まるで別世界に迷い込んだような錯覚を覚える!)
 来て良かった!!と思いつつ、駐車場に車を入れると先行して轍を作ってくれた車が一台止まっていた。
 私達も歩く準備に取りかかる。程無くこの駐車場のお爺さんが料金徴収(500円)に来て、『その車は6:30に来て一人で山に入った。』と教えてくれた。
 しかも、家内の顔を見て、『こんな日に山に入るのかネ。』『初めて登る訳じゃないよネ。』と笑いながら話しかけている。
 『ハイ!何度かお邪魔しています。』と家内が答えると安心したように『気をつけて!ネ。』と言って家へ帰っていった。
 家内が、『何度かと答えたけどまだ三回目なのよネ。』とテレながら笑っている、『でもお爺さんが言うようにもし雪が多かったら途中で引き返そうネ。』とも念を押されてしまった。
 眩しいような雪原と化した牧場の中の道を進みやがて登山道に入って行くと早くも富士山が霞んでいるとは言うもののその姿を見せてくれ適度な積雪の道に一人の先行者の
 足跡を追って進んで行く。
 こんな日の青空は本当に蒼く天空に続く宇宙を感じ静けさの中に小鳥の囀りだけが聞こえてくる雪山でしか味わえない世界に浸ってタダタダ歩を進めて行くのみだ。
 何度か林道を横切ると立派な看板のある登山口に着いて見下ろすと大平牧場の建物も小さくなって高度を稼いで来たことを実感させてくれる。
 その後は木立の中を進みやがて別天地の扇平に着いた。
 ここで標高1800m、雪原の中に枯れたススキの原が続き前面に乾徳山の頂が聳え遠く雲海に覆われた甲府盆地越しに富士山も見える絶景ポイントになっている。
 この扇平を過ぎると一転して登山道は岩のゴロゴロした急坂になり所々鎖場も出てくる難しいルートになる。
 特に冬場は手を掛ける岩の割れ目が凍り付いているので気を使いながら歩き山頂手前の平坦地を過ぎれば最後の岩場になる。
 家内が先に鎖に取り付き慎重に山頂へ登って行く。OKのサインを確認してから私も後に続き二人して山頂に立つことが出来た。(絶景!絶景!)
 山頂は雪に覆われているセイか結構狭く思え小さな祠周辺しか休む所が無いように感じる。(正直チョッと怖い!!)
 富士山は霞んでいるものの姿は見えているが南アルプスは雲の中に隠れ今日はお休みのようだ。
 反対側の奥秩父から奥多摩方面は良く見えていて、家内が一所懸命『前回登った雲取山は何処?』と探している。
 大菩薩山塊、雲取山、笠取山と歩いた山々を確認しながら『雁坂山塊はまだ歩いてないわネ。』と次の催促が来たようだ。(笑い)
 何となく、狭い山頂は落ち着かないのと少し風も出てきたので長居は無用と山頂を後に下山を開始、途中の広場で昼食を摂ることにした。
 山頂下の厳しい道はそれなりに緊張しているので、それが終わってから気を抜くと危ないのよネと言って先を進む家内が雪の付いた梯子を降りる時、
 ア〜ッと奇声を発して滑り落ちていった。
 (とは行っても2〜3m)ほら、自分で言っていて・・・と笑いながら追いつくと、したたか腰を打ったらしく『このな時、この山に来るのではなかった!』と言って私を睨み返す。(ドキッ恐ろしい)
 もう直ぐ、扇平手前と言う本当にホッとした所だったのだろう。(皆さんも気をつけましょうネ。)

 扇平を過ぎ比較的緩やかな尾根道まで戻ってくると、今朝程あった雪も今日の暖かい陽射しに解けて土が見えてきている。(逆にぬかるみになって足がとられ歩きにくい。)
 本当にまだ一月だと言う事を忘れてしまいそうな暖かさで春山を歩いているような錯覚を覚えながら雑木林の中を歩いていると小鳥達も姿を見せてくれる。
 久しぶりに”コゲラ”と”ルリビタキ”の写真も撮れて私は楽しみながら山を下りて来た。(家内は腰を痛めたと不機嫌なままで先に行ってしまった。)
 来週の八ヶ岳は『行かない!!』と言われるのがこわくて私も少し距離をあけて付いて行くように歩き大平牧場まで戻ってきた。
 以前、私がここを歩いたのは何年前だろう??アヤメが咲いていてので初夏だったのだろうか?(家内は昨年、夏友人と来ているので・・・・・。)
 そんな事を思い出しながら車まで戻って来た。
 当然、今朝あった人の車は無く(途中で会わなかったので下山ルートを使ったのか?)私達の後にも訪れた人は居なかったようで私達の車だけが一台ポツンと待っていてくれた。

 帰り道、家内のご機嫌を直す為、彼女のお気に入りの”笹一”(笹子峠下の甲州街道沿いの酒造所)でワインを買い求め大月から中央高速に乗って帰路についた。
 午後になってから空には雲が広がってきたようだ。
 マアッ明日は”お仕事”なので多少お天気が下り坂の方が気持も落ち着くと思いながら帰宅し夕食後早めにベッドの中の人となった。
 来週末のお天気と”我が家の山の神”のご機嫌が直りますように・・・・・と祈りながら。
2007年1月21日(日)
扇山 標高 : 1138m (山梨県の山)

【山頂にて】

【登山道から扇山を見る。】

【登山口近くの古い民家?】
・今年の冬はそれにしても暖かく感じませんか?一言に”温暖化の影響”と言ってしまえばそれまでなのですが・・・・・。
 郊外に住んでいる私には日々の生活の中でもいろいろな所でその変化を体感している今日この頃です。
 例えば、朝駅まで家内に送って貰う車のフロントガラスに霜が降りている事が今年は殆ど無く、駅で電車を待つ間に例年だと手袋をしないと寒くてたまらなかったのが素手で本を
 読んで待てるとか・・・・。
 確かに日々の生活上ではありがたいことなのだが・・・これがもっと大きな目で見ると悪いことの始まる序曲でないことを祈るばかりだ。
 今週末は太平洋岸を低気圧が二つ続けて通過するとかで余りお天気が良くないようだ。
 先週の雲取山での快晴が癖になりそうで、何処かの雪山へ行きたいのだがチョッと小休止かナッ?と思っていたら案の定、土曜日は朝からどんよりとした曇り空で午後からは
 時々白い物が空から落ちてきている。
 そういえば、世の中は”センター試験”が行われているらしい。(この試験の時に関東では雪が降る”と言うジンクスは生きているのだろう。(受験生にはお気の毒な事だ。)
 もともと日曜日は”雨”の予報だったので久しぶりに自分の部屋の片付けや最近手を付けていない絵の道具など取り出してみようかと思っていたら夕方の天気予報で少し晴れ間も
 出そうな予報に変わった。
 週末二日間全く歩かない!と言うのは最近では恐怖に思う程、習慣になってしまい足がむずむずしてくる。(笑い)
 展望も無いことは分かっていたが何処かの山を歩いてみたいと思っていると、家内も同じ考えだったのか?地図を出して来て私の横でこれ見よがしに広げている。
 『近場の山でも歩いてみるか?』と話しかけると『そうネ、チョッと汗を掻く位の山が良いわネ。』と言って高尾山周辺のガイド地図を持ち出してきた。
 それにしても、お天気が余り良くないと分かっていると中々候補の山が決められない・・・・迷いに迷った結果、久しぶりに扇山まで行って見ることにして決着をつけた。

 日曜日目覚めると、うす雲はあるもののそんなにお天気は悪くは無さそうな様子。
 もしかすると、昨日この辺でも舞った雪が山では積もって新雪の造形が見られるかと少し期待しながら家を出発することにした。
 ところが走り出してみると意に反して周辺の山々は冬枯れの黒い山肌をさらしたままで何処まで行っても雪が降った痕跡は見当たらない。(苦笑)
 少々ガッカリしながら、上の原を過ぎて国道20号線から別れ旧甲州街道沿いに扇山の登山口を目指して車を走らせて行く。
 この道はまだ昔の街道の面影が少し残っていて、最近読んだ江戸時代の小説にもここを舞台にした箇所がありチョッと興味があるところでもある。
 そんな細い道を走り登山口の駐車スペースに車を止めた。(路肩の5〜6台程度駐車可)
 今日はこんなお天気だからか?先行者は誰もいないようだ。
 お互いに準備を始めると、家内が突然私の服装と装備を見て『貴方はズルイ!』と私に文句を言い出した。『???』。どうも私の軽装(関東周辺の冬山歩き用)を見て、
 自分が雪山用の服装をして来てしまった事に怒っているようだ(二ガ笑い)
 『雪があるかもしれない?』と言ったくせに、と言いたいらしい・・・・(笑い)。寒いよりましだろう!!と言いたいが私より暑がりの家内にはベストを忘れた事が一番気に食わなかった
 ようだ。
 薄日の射す山道を歩き出すと直ぐに体が温まってきてもう上着は着ていられない程今日も暖かな一日だ。(風も無いし・・・・)
 樹林帯の中の道を進んで行くと足元に薄っすらと雪が降った痕跡も出て来た。
 その下の土は凍っているので今は歩き易いが解けると泥道になりそうだと思いつつ進んで行く。
 山頂下の急坂に取り付くと南斜面で少し日が当たって来たのか?その斜面が緩んできていてヌルヌルと滑り始めた。(嫌な感覚だ)
 それでも程無く、山頂広場に到着!!案の定富士山は見えない。(分かっていた事とは言えガッカリ!!)北側の大菩薩連山は僅かに見えているものの何時もの山頂での
 爽快感は味わえなかった。
 しかし、何時もなら必ず数組は居るこの山頂に今日は誰も居ない。(静かな山頂もありがたいものだ。)
 しはらく、雲が切れないかと祈りつつこの山頂に留まってみたものの・・・南に広がる雲は動かず、やはり無理と判断せざる得ない。
 しかもこの時間位の山歩きではそれ程お腹も空かないのでバナナとお菓子で休息を取り一休み後山頂を後にすることにした。
 下り斜面で今日始めて三人組(初老の男性二人に女性1名)のグループとすれ違う。
 『ヤッパリこの山だから人は来るわよネ!!』と家内は一安心したように私に話しかけながら『それにしてもあの人(ご婦人)は何で不機嫌に顔をしていたのかしら?まるで
 登山が楽しくないみたい!』とその中にいたご婦人の顔を思い出しながら首を傾げている。
 『人にはいろいろ事情があるんだろう?』と私は思うのだが・・・。
 やがて道は稜線に入り傾斜も緩くなってくると気温が上がって来たのか?霜柱も解けはじめ案の定道がどろどろになってしまった。(私はこれが苦手なのです。ゲゲゲッ)
 しばらく歩いて行くと下から一人の男性が又上って来て先行する家内と挨拶を交わしながら話し込み始めた。
 どうも、地元の方の様でこの扇山をベースに楽しまれている方のようだ。
 何時頃から上り始めたのか?と聞かれ時間を答えると『あんた方は歩くのが早すぎる!!相当、山を歩いているのだろう!』と盛んに感心しながらすれ違っていった。
 私達はそう言えば最近、登山道の歩行時間を余り気にせず歩くようになっていたし息も上がっていない。
 これも毎週のように歩いて来た賜物だろう。この事が何時の間にか余裕になって回りの風景や植物の営み、季節の移り変わりの変化を感じる事になり、より山歩きの楽しさを
 教えてくれていたことに気づかせてくれたようだ。
 昨年末、虫倉山で出遭ったオジサン!に似ていると家内が笑いながら見送る後姿は確かに微笑ましい。(普段着ぽいジャンパーに軍手、木の枝の杖で・・・それでも今年扇山へ
 上るのは四回目だそうだ。)
 山を楽しむのは格好では無いよ!と改めて教えてくれているようだ。(教訓)
 この扇山は登山道がいろいろあるので今日は、標識がある”君恋温泉”の方へ下ってみることにした。
 たいした変化はないだろうと思っていたら段々沢の音が聞こえて来て眼下に神社の社が見えてくるとその横に滝が流れ落ちている場所に出た。私達の持ってきた地図には
 載っていなかったのでオヤッと思うと同時にチョッと得した気分になって神社にお参りしてからその滝壺に降りてみた。
 それ程大きな滝ではないが見所も少ないこのコースでこんな発見も又余裕から出てきたものだろうと喜びを感じる。
 この滝にも名前があって、”不動滝”と書いてあった・・・・ここの所の山歩きでは滝が必ずあって、しかもこの不動滝は三本目になる(笑い)今年は”滝巡り”の山歩きになる
 のかナッ?と二人して顔を見合わせ笑ってしまった。
 この滝を過ぎ、尾根筋へ上り返すと里山風景の中の道になりノンビリ歩いて行けば、その君恋温泉の宿の裏に出て今日の山歩きは終わりになった。
 車道を少し歩き車を止めてあった路肩まで帰り着いたら前後に2台車が増えていた。
 一台は途中で会ったあのオジサンの車なのでもう一組登っていったのだろう。(それにしても今日は訪れる人が少ないようだ。)
 帰り道も車が空いていてスムーズに流れて渋滞も無く帰宅することが出来た。

 チョッと遅い昼食を摂ってからPCで長野県北部のライブカメラを見てみるとあちらは好天で新雪と青い空が悔しい程広がっている。
 この週末は山小屋へ行った方が良かったようだ。(でもあの予報では・・・その決断は出来なかったし残念だ。)

 都心ではもう梅の花が咲き出したとニュースで伝えていた。
 今日も車窓から菜の花が咲き出している風景も見てしまった。このまま今年の冬は終わってしまうのだろうか??
 日々の生活では寒いのは苦手だが、それでもチョッと淋しい気がするのは私だけだろうか???
 あの幻想的な雪景色を見ておかないとと思うと気が急いてくる今日この頃である。
2007年1月14日(日)
雲取山 標高 : 2017m (東京都の山)

【山頂にて】

【山頂から富士山と】

【三条ダルミから雲取山を見る】
・年が明けて実質の仕事始めの一週間が始まった先週は一日少なかったとは言え結構多忙で疲れてしまった。
 金曜日も結局終電の一つ前の電車にヤット乗りヨレヨレで帰宅するハメになってしまい駅まで家内に迎えに来てもらう始末になってしまった。(ヤレヤレ!!)
 こんな週末に限ってお天気は良いようで関東地方の天気予報には”お日様マーク”が並んでいる。
 結局、土曜日は私がベットから起き上がる事が出来ず寝室から這い出した頃には太陽が燦燦と輝く9時過ぎになってしまっていた(こんな日もあるサッ)
 家内はこんな状態の時にはあえて何も言わず洗濯物を干したり他の部屋の布団干しと家事をこなし、私が階下に下りて遅い朝食を摂っている間に私の布団もベランダに
 出されてしまいもうベッドに戻ることは出来なくなってしまった(苦笑)
 しかたが無いので作業着に着替えて久しぶりに車を洗ってあげることにして外に出た。
 年末から雪道や山道を走って結構汚れていたので汚れを落としてやるとその差が歴然とハッキリする程綺麗になった。
 今年の冬は本当に暖かく、手もかじかんではこずに水洗いを終えると穏やかな陽射しと乾燥した空気に濡れたボディーも瞬く間に乾いて行く。
 一通りの作業が終わり一息ついていると、家の中から『お散歩に行かない?』と家内から声が掛かったので近所にあるHCがリニューアル・オープンしたので覗きがてら歩いて
 見ることにした。
 一段と広くなった店内に商品も溢れるように並んでいるが我が家は子供たちも巣立ち欲しい物も今の所無いので生活用品の小物を少し買ってから隣の食品スーパーで
 昼食の食材を買って帰って来た。
 こんな町内の散歩でも外の空気を吸いながら歩いてみると気が晴れるものだ。

 夕食後、私がノンビリと憩っていると家内から『明日はどうするの?』とお声が掛かってしまった。(苦笑)『何処でも良いよ!』と答える私に『雲取山は?』と催促の回答が帰って来た。
 やられた!と内心は思ったのだが・・・・今週はチョッと自信が無いので(弱気)・・・・・。
 雲取山は私が中学生の時、山好きな先生と友人3人でテントを担ぎ奥多摩駅から六ツ石山、鷹巣山、七ツ石山と延々歩いた記憶があり日帰りと言う概念が頭にないので
 どうしても敬遠してきた山なのだが・・・家内にとっては山梨百名山の一つに過ぎないのだろう。(笑い)今年は10山位新たに登りたい!とは言っていたのだ頭をよぎる・・・・・。
 私のHPに投稿いただくILCさんはここを冬のフィールドとして良く行かれている事も知っているので何度も候補に上がりながら今日まで避けて来た山だ。
 そんな私の心情など関係なく、家内は既に丹波山村役場へ連絡し情報を仕入れていたようで今回は逃げられないか?と諦めることにした(笑い)。
 
 日曜日の朝、何時もより一時間早く起き外に出ると星空が綺麗だ。(今日も一日お天気は良さそうだ。)
 奥多摩周回道路が確か夜は通行出来なかったと思ったのと山道の凍結を考慮して中央道、勝沼IC、柳沢峠経由で三条の湯を目指すことにした。
 大月付近で夜が明け富士山に朝の光が当たり赤く染まって綺麗だ!(その内三つ峠からこの富士山も見てみたい。)
 塩山駅前のコンビにで昼食を買い求め大菩薩ラインを進んで行く。
 車の通行量も少なく南斜面に位置しある程度幹線道路なので凍結路も無く柳沢峠に差し掛かるとまだ朝の光の中の富士山が美しく視界に入ってきたので、路肩の広場に
 車を止めて写真を撮ってしまった。(ニガ笑い)
 ところが、私の読みはここまでで、峠を越えると途端に凍結路になってしまった。(トホホ)
 確かに道はここから北向き斜面になり陽が射さない為のだろう路面がテカテカ光っていていかにも滑りそうなのと下りなので慎重に車を走らせて行く。
 ここで又私の勘違いが重なって笠取山に入った一の瀬の少し先位に思っていた後山林道入り口が中々出てこない??。
 例のイノシシ鍋を作っている雑然とした店?先を通過し丹波山集落を抜け奥多摩湖の湖尻に近づく頃ヤットその入り口が見えてきた。(これなら小菅か青梅街道を来た方が
 絶対に近い!(時間のロスをしてしまったようだ。)
 その鋭角な交差点を左折するといきなり未舗装のダート道になる。その後もかなりな悪路が続き途中からは凍結路になってしまった。
 ガードレールも無く落石注意の看板が次から次へと出て来て確かに路上に石が結構落ちている。
 対向車が来たらどうしよう!!と言うような箇所を幾つか通ってどうにか車が三台止まっている林道終点まで辿り着けた。(この道は普通乗用車にはチョッときついかも知れない。)
 この先行者の車は霜が降りているので昨日来て何処かの山小屋に泊まった人達の物だろうか?
 柳沢峠で車内温度計は−12℃を示していたもののここでは−9℃まで上がって?それ程寒く感じないのは風が無いセイかも知れない。
 歩く準備に取り掛かりアイゼンは6本爪をザックに入れて準備体操に取り掛かる。この深い沢筋の林道にはまだ今日の陽が射してこないが頭上には素晴らしい青空が
 広がっているようだ。
 この数台止められる駐車場から凍った林道を少し歩くと本当の行き止まりになり、緊急車転回の為の広場に着く。
 ここからいきなり凍結した下り坂になり慎重に足を運んで沢に掛かる橋を渡ると東京都の水道局が整備したのか手入れの行き届いた落ち葉の道を歩き岩陰を回りこむと
 三条の滝を下に見て30分も歩くと水場が出て来て三条小屋の下に出た。
 山女橋を渡り正面のジグザグ路を登って行くと小屋の横に出て飛竜山との分岐となり小屋の前を通って雲取山登山口に向かって行く。
 断崖にへばり付くように建てられたこの小屋は良く手入れが行き届いていて薪ストーブからだろうか?煙突から香りの良い煙が出ていてチョッと私達も休ませて貰いたいくらいだ。
 丁度、朝の仕事が一段落したのだろうか?小屋の人が庭に出ていて、私達が挨拶すると『今日はお天気で山は景色が良いでしょう。』とにこやかに答えてくれた。
 その声に送られて先に進むと又沢を渡る為の下り坂に差し掛かり今度はこの凍結路が怖いのでここでアイゼンを装着することにした。
 水量の多い綺麗な沢に掛かる橋を渡り対岸に取り付くと絶壁の中腹に刻まれた渡り廊下の様な登山道を氷に足わ滑らせないように進んで行く。
 所々に鎖も張られて結構スリリングな道だ。
 三条小屋の屋根が眼下に見えてくるとこの道も終わり南斜面の明るい道に入り又落ち葉の敷き詰められた緩やかな山道になる。
 20分程で青岩鍾乳洞との分岐になり(そちらは落石の為通行止めになっていた。)雲取山方面に進路をとる。
 ここからも明るい道が続き木漏れ日ハイクのような気分でノンビリと歩いていたら突然目の前を鹿の一団が横切り一瞬肝を冷した。
 しかもこの一団は林の中からこちらの様子を窺うように逃げないでジッと見ているので家内が怖がり先に進めない(笑い)。
 鹿は人間に直接危害を加えないからと説得して私が先頭に立ち進むことにした。(最も植林の若木を食べて林業の方々には食害があることも事実だが・・・・)。
 今年の冬は暖かいので一緒にいた愛くるしい小鹿も無事冬を越せるだろうとの思いと、増えすぎるとそれなりに又問題なのかもしれないとの思いが交差して複雑な気分になる。
 道は徐々に高度を上げて周辺の山々の峰が対等に見えてくると道は雪深くなりトラバース気味の箇所が所々出て来て一歩一歩慎重に歩を進めてい行く。
 傾斜はきつくないが雪道やアイゼンを装着して歩くのに慣れていない人にはチョッと厳しいかも知れない。
 尾根筋の切り通しで一休みすると目の前には三石山から飛竜山への稜線と反対側には七ツ石山から小雲取山への尾根が見渡せその先に白く雪を付けた雲取山の頂も
 望めるようになってきた。
 今日はここまで来ても頭上には青空が広がったままで雲の湧いてくる気配も感じられず風も無いので額から汗が流れる程の行程が続く。
 やがて葉を落とした木々の間から富士山の頂きも顔を出し始め、その姿を見てしまうとつい先を急ぎたくなる気持を抑えながら歩いて行くことになる。
 眼前に雲取山の頂が迫ってくると三条ダルミももう直ぐそこだ。
 予定時間より少し早くその広場に到着してベンチで休もうか?思うと又鹿が居るので家内は『嫌だワッ』と言って先に行ってしまった。
 私はこの開けた展望で写真を撮り、富士山の裾野に広がり始めた雲を見ながら私達が山頂に着くまでその姿を隠さないで!!と祈りつつ家内の後を追うことにした。
 ここからの道は今までの歩き易い傾斜と異なり急坂になっていた。
 最近私はこの斜度に弱くなったようで途端に息が上がり足が重く感じる。(お腹が出て来て体重が増えたのかナッ??自問自答)
 先を行く家内の姿が段々梢の影に隠れて見えなくなってしまいその距離が開いて行くと、お正月に見た”箱根駅伝”の順天堂大学のランナーを思い出し苦笑いが出て来た。
 それにしても今まで順調に歩いてきて最後のこの急坂は堪える。(クククッ)30分程息も絶え絶えに歩いて行くと頭上に青空が見えてきてその雪の白とバックの青空の境目から
 家内の赤いスパッツ姿が消えていった。(もう山頂は近いのだろう。)
 ヤットの思いで私もそこに辿り着くと広々とした雪原に例の”山梨百名山の標識”とともにポーズをとりながら私を待つ家内の姿があった。
 写真を撮ってからザックを下ろして休もうとする私に『本当の山頂はこの先ヨ!』と言って家内はそのまま行ってしまう。
 しかたが無いので後を追うと雪の中から立派な(ログハウス風)非難小屋が姿を現し、その横を通って石尾根方面から来たグループと合流しながら少し進むと方位版が
 設置された山頂に着くことが出来た。(ヤレヤレ)
 この山頂風景に遠い(40年も前)記憶を呼び起こそうとしたがその面影も無く、ここは家内との思い出の一ページとして新たに刻み込むことにしようと自分に言い
 聞かせることにした。
 あの時重たい布製のテントを背負い飯ごうでご飯を炊いた彼らは今頃どうしているだろうか?お互いこの年になつて相変わらず山など歩いているのは私だけだろう。
 そんな郷愁に浸りながらこの素晴らしい展望を眺めていると、先程一緒に到着したグループのオバサマ達のダミ声が喧しい!!どうしてそんな大声で騒ぐ必要があるのだろうか?
 今日もここまで静かな山歩きを楽しんで出来たのにたったこの一グループの為に雰囲気が台無しになってしまう。(怒り!!)
 先着していた一人の男性がそのグループに一瞥して腰を上げ山頂を後にしていった。(私も同感だ。)
 私達もこの下品なざわめきを避けて早々にこの山頂を後にすることにしよう。
 冬はこの手の団体が山に入らず静かな山歩きが楽しめていたのに最近は雪もこの手のオバサマ達を防ぐ防御柵では無くなってしまったようだ。(残念)
 ところで、雲取山は東京都最高峰の山として私は記憶していたが(子供の時は都民だったので・・・・)家内にとっては”山梨百名山”の一つとして捉え、今回山頂に
 埼玉県の設置した山頂標識を発見!!し、三県にまたがる山頂だと改めて認識した次第だ。(笑い)
 確かに名峰と言われる山々は県境にあり多くの場合両県にまたがる場合が多いのだが・・・・それぞれの県がこうして山頂標識を立て県名を刻んでいることにどこかおかしさを
 感じてしまうのは私だけだろうか??
 そういえば、この一帯の秩父多摩国立公園と言う名称に山梨県が異論を唱え現在は”秩父多摩甲斐国立公園”と変更になり、確か長野県もそれに入れろ!と言う意見書を
 出したとかニュースになっていた事を思い出した。
 勿論、各県が率先してその地域の自然保護や整備事業に力を入れてくれることは望ましい限りで反対することではない。
 ただ県域の利益導入の目的で小役人根性を出しているのなら余り歓迎すべき姿でも無い様に感じる。(勿論、独り言で議論する積りもないが・・・・)
 そんな事を思いながらも、もう一度非難小屋の前の広場で一休みしこの素晴らしい景色を堪能して今度こそ山頂を後にした。
 今日は時計の針がお昼の12時を回っても上空に雲一つ生まれてこず、将に”雲取り”山だネと家内と駄洒落を言いつつ来た道を引き返して行く。
 遠く富士山から丹沢に掛けての空には雲が沸いているようだがそれ程広がらず抜けるような青空は吸い込まれそうな程透明でその中を飛んで行く飛行機でさえ今日は
 飛行機雲を引くことは無い。
 あれ程苦しかった山頂直下の道も難なく降りてアット言う間に三条ダルミに到着、そのまま木漏れ日ハイクの感覚で歩き続ければ上りに休んだ切り通しまで
 一気に降りてきてしまった。
 ここで小休止を取り先ほどまで居た雲取山の山頂とそれに続く白い登山道を見ていると『この辺の山は良い山ネ。又近々山小屋泊まりで着てみたいワ。』と家内が
 私に諭すように話しかける。
 確かに今まではどうせ山小屋料金を払うなら”北アルプスだ”と決め込んでいた私もそんな気になって来たのは今日の素晴らしいお天気のいたずらかも知れない。
 幾分陽が傾き掛けた山道を歩き青岩鍾乳洞への分岐を過ぎて少し西に傾きかけた陽だまりの山道を下り、眼下に陽射しを一杯受けた三条小屋の屋根が見えてくれば
 今日の山歩きも終盤に差し掛かってきた。
 日中陽射しを受けることが無かったであろう沢筋の道は今朝同様凍りついたままなのだがそこを通過ご小屋の前まで来ると誰も居ない小屋の中のコタツに今朝程挨拶した人が
 一人座っている姿が目に入った。
 『谷間の暗い山小屋だと思っていたら結構陽が当たるのネ。それに温泉までは入れるならこんな山小屋に泊まって見るのも悪くないかも・・・・。』と家内が言う。
 今度、飛竜山へ行く時には使ってみようか?と私が答えると『そうネ・・・・』と今度は余り乗り気では無い返事が帰って来た。
 こう言う時の家内は既に歩くルートを決めている場合が多いので深く追求しないことにしている。(笑い)
 小屋を過ぎれば後30分、陽の光が届かない深い渓谷沿いの道を歩き駐車場まで戻ってくることが出来た。
 結局、凍結路が時々出てくるので最後までアイゼンは付けっぱなしで帰ってきてしまった。
 雲取山荘のHPにも1,000m以上には雪がありアイゼンが必要!と書いてあった訳が分かったような気もする。(言い訳か??)
 
 今日は高気圧に誘われて久しぶりに奥多摩の山を歩いて見た。
 冬の関東地方は晴れることが多くともこの様に風も無く穏やかで気持の良い山歩きが出来る日はそう多くない。
 帰り道は青梅街道を奥多摩湖方面に車を走らせると所々でザックを背負った人達が道を歩いている姿を見ることがあった。
 この人達も今日はそれぞれの山でさぞかし満足な山歩きを楽しむことが出来たのだろう。
 夕暮れが近づき山肌を赤く染める頃私達は上の原から相模湖に抜け自宅まで帰って来た。
 程よく足に疲労感が出て来てお風呂から上がって夕食とビールを飲んでいると又瞼が重くなってきた。
 明日から又一週間仕事をしなければ・・・・と思うと気が重くなってくる。(こんな楽しみをする為には働かないと!と自分に言い聞かせて二階の寝室に上がって行った。)
 お休みなさい!! 。
2007年1月8日(月)
高尾山 標高 : 600m (東京都の山)

【山頂にて】

【雲引く富士山】

【初詣・・・。】
・昨日、思わぬ山歩きを楽しめたのでユックリ起きて朝食を摂っていると今日もお天気が良い。
 この三連休に大町の友人から歩くスキーのお誘いが来ていたのだが、どうしただろう?とPCの電源を入れインターネットの天気予報を見てみるとあちらはまだ雪が降り続いているようだ。
 それに、又北アルプスでは遭難のニュースも入ってきている。こんなお天気でも又山に入っているのか?と私が言うと家内から『貴方だって昨日行ったじゃない!!』とお小言を
 いわれてしまった。
 私の場合は、何時でも中止するし行った山が北アルプスとは違う!と言い掛けたけど他人から見ればその境目はハッキリしないだろうから言い訳するのは止める事にした。
 それにしても、お天気が良い!!ジッとしているのも勿体無いので『初詣に高尾山へ行こう!』と言うと『エッ今日も行くの?』と言いながらも家内は洗濯物のを干すまで待って!と言って
 嬉しそうに二階に上がって行った。

 日がスッカリ昇って街が活動を始めてからの出発で多少道の混雑も覚悟したもののスムーズに町田街道を抜け国道20号線に入る。
 もう初詣も終わって空いているのかと思っていたのだが・・・・意に反して駐車場はほぼ満車状態で今まで止めた事もない奥の神社の境内まで誘導されてどうにか駐車出来た。
 (危ない!危ない!!)
 歩く準備をして京王線の高尾山口駅近くのお店で”おこわ弁当”と参道で”酒まん”を買ってから何時ものように”稲荷山コース”へ足を向けると工事中で通行止めになっている???
 しかたがない、6号路は沢道なので景色も良くないので久しぶりに1号路から上って見ることにした。(このコースは今から十数年前、家内と歩いて足が上がらなくなりその体力の無さに
 驚いて山歩きを再開するきっかけになったコースだ。)
 その事を思い出しながらユックリ歩き始めると、私達の横を多くのハイカーが追い越すように早足で歩いて行く。(二人して思わず顔を見合わせ、思い出し笑いをしてしまう。)
 やがて道は九十九折に差し掛かるとその何組かが息を上げて休み始める・・・それでも、私達のユックリペースが気になるのか、又歩き出し私達を追い越して行った。
 (無駄なことなのに・・・・・その繰り返しがしばらく続く。)
 金比羅台への分岐を過ぎてリフトの山頂駅への直線コースに入る頃にはもう見慣れた人達は誰もおらず”兎と亀”との無意識の競争は終わりを告げ私達はケーブルカーの駅前広場まで
 息が切れることなく歩いてこれた。(毎週歩いているということはこんなにも違うと言う事を改めて自覚出来たようだ。)
 駅前の展望台から都心方面を見ると今日は空が霞んでいて新宿の高層ビルが僅かに影のように見えるだけなので通過、そのまま男坂の百八つの階段を昇る。
 (昨日の疲れが少し足に出てキツク感じるか。ハハハッ)
 薬王院の山門をくぐるとまだ初詣客で人出が多くごった返していたので参拝だけして裏山へ抜け山頂への道を更に進んで行くことにした。
 ここまで来ると少し人も少なくなってユックリ歩いて行ける。程無く山頂広場に着いたので富士山を見ようと何時もの展望台まで行くと建物が壊され工事中の柵が張りめくらされていた。
 (何を作ろうとしているのだろう??)
 富士山はと見ると昨日同様に雲を纏いハッキリとした姿では無かったし空も霞んでいてぼんやりとしているので何故かホットする。
 ベンチもテーブルも撤去されていたので石の塀に腰掛て買ってきた”酒まん”を食べて一休みすることにした。
 さて、これからどうしよう??何時もならこのまま城山まで歩くのだが、その先も通行止めになっているらしい!!(後で案内地図を確かめると北側の一コースは歩けるとの事。)
 今日は初詣登山と言うことなので素直に帰ろうと言う事になり、六号路入り口へ向かうことにして山頂を後にした。
 所が、少ないだろうと読んだこのコースは道が狭い分、次から次えと登ってくる人の列ですれ違いにも一苦労するはめに陥った。(苦笑)
 私はこの様な状況をやり過ごすのが苦手で先導してくれた(他人)人の後を走るように追ってアッと言う間に琵琶滝の祠の所まで降りてきてしまった。
 ここを過ぎれば道が少し広くなるのでヤットユックリ歩くことができる。(ホッ!!)
 ここの所、人が居ない山ばかり歩いて来たので別の意味で少し疲れてしまったようだと私が話すと『初詣は人出がないとネ。』と家内が屈託のない笑顔で笑いかける。(まったくダ!!)
 駐車場に戻ると、係員が何となく帰るなら早く出ろ!と言っているような視線を感じ、入り口の方を見ると駐車待ちの車が国道に連なっているのが目に入ってきた。
 『エッまだこれから登る人達がいるんだ!!』と家内が驚いたように私の顔見る。
 高尾山は夕暮れも又綺麗だし都会に近いから夜景を楽しむ人々も居て不思議はないサッ!と私。
 本当は単に出が遅かった若い人達だろうけど・・・・・・。
 私達も年を取って朝起きるのが億劫になくなっただけのことなのだろうと笑う。

 関東近郊の山々にも雪が来てこれから春が来るまでこんな山歩きが続くことになるのだろうか?
 この冬は雪が少ないので少し八ヶ岳付近も歩いてみたいし山小屋へも行ってみたい。
 兎も角、この連休に初詣登山と新年初登山を無事終えて今年の山歩きページのスタートを切ることになった。そして今年も無事過ごせるように願って又乾杯!!
 (こんな事を口実にお酒ばかり飲んでいる私です。)

2007年1月7日(日)
毛無山 標高 : 1945m (山梨県の山)

【山頂にて】

【登山口からの富士山】

【不動滝展望台にて】
                                 新年明けましておめでとうございます。

・年が改まり2007年になってお正月を無事迎えてから、スキー客も少なく渋滞の無い高速道路を走って自宅に帰ってきた。
 年末の素晴らしいお天気は何処へやら・・・・三ヶ日は雨こそ降らなかったものの快晴のお正月とはならず、心置きなく実家への新年挨拶や帰京した息子達と賑やかな日々を
 過ごすことが出来た。
 四日からの仕事始めもまだ電車は空いていてノンビリとした通勤になった。ただ皮肉な事にこの二日間は良く晴れて成人の日の3年休に又天気が崩れるという予報になっていた。
 それも猛烈に発達する低気圧が大平洋岸を通過するらしい。
 又、山は大荒れになることだろう。(何でも950ヘクトパスカルにもなるとは、超大型台風並みの勢力だ。)
 金曜日の帰宅時には夜空に雲が広がりはじめ土曜日の雨の予報が当たっていることを感じさせていた。
 結局、土曜日はその激しい雨と風に家に降り込められて一歩も外に出ずグダグダと過ごしてしまった。
 最近は私のHPの調子も悪く写真が勝手に変わってしまったりで更新がわずらわしくなってきて創る気も失せ気味で(もっとも無知のせいだとは思うのだが・・・)興味が他の事に
 移ってきているようだ。(苦笑)
 夕食後、雨も収まったようなので何気なく外に出てみると漆黒夜空に月が煌々と輝いていた。(エッ???)
 慌てて家に入り『オイ!晴れているゾ!!』と家内に言うと『そう?それなら高尾山にでも初詣に行く??』と答えが返ってきた。『高尾山か・・・・・ウ〜ムッ今一つだナッ』と私。
 『それなら何処が良いのヨ?』と問い返されても、次の候補が出て来ない。年末のあの素晴らしい景色を見てしまうとどうしても雪景色を見たくなる。
 今日の雨がどの辺まで雪を降らせたのだろう??中央高速は小淵沢から先がチェーン規制になっているようだし・・・・家内が河口湖の友人にMailで問い合わせると、15cmの
 積雪でラッセル車もでているようだ。
 その友人からこっちの山へ来るならカンジキが必要だとアドバイスが返って来たそうだ。
 天気予報では日曜日の関東地方は晴れるものの例の低気圧が東北付近にあってその影響で北西の風が強く山は大荒れなのでレジャーは控えるように告げている。
 『よし!!河口湖の雪を見て、北西に山を背負った南東からのアプローチが出来る毛無山に決めた!』と家内に告げると『呆れたワッこんな日に行く気!』と叱られたが・・・
 それでも早速地図を出してきて、装備チェックを始めたようだ。
 もし、積雪と風が強いようだったら足和田山に変更するし、この風向きならもしかすると富士山も見えるかもしれないヨとの私の誘い水に乗ってきたようだ。

 日曜日、何時もより少し早目に起きて車に荷物を運び込むがそれ程気温は下がっていないようだ。(車に霜も降りていない。)
 相模湖ICに走り出す頃、夜が明けだすと丹沢山塊の上の方が薄っすらと白くなっている。(この冬初めて雪が付いた丹沢を見るような気がする。)
 大月付近まで来ると周辺の景色が雪化粧をしはじめて河口湖線に入ると徐々にその量が増しだし、除雪車が走った跡が出て来た。
 富士山はまだ雲の中でその姿を見せてはいない。
 河口湖ICで高速を降り、市内に入ると確かに15cm以上の積雪があった様で歩道には深い足跡が残っている。
 コンビ二で昼食を仕入れようと車を止めて外に出ると痛いような外気に一瞬体が引き締まり、足元の凍った地面に足を取られないように店内までユックリ歩いて行った。
 こんな日には遊びに来る人も少ないのだろう・・・・お弁当類も数が無く、パン類も少ない。(ヒョットして配送が遅れているのかナッ?)
 御坂山塊も当然麓まで真っ白でこの辺の山では難儀しそうなので、今日は諦めかナッと一瞬気持が揺らぐ。
 コンビ二を後に、車を走らせ鳴沢近くまで来るとスキー場へ向かう車達と別れ更に交通量も減ってきた。
 路面は当然凍結路で慎重に車を進めて行く。 樹海の中の道は真っ白でスタッドレスタイアでも時々滑るような感覚がある。
 上空には青空が広がりつつあるものの木立の間の道に陽が射すことは無く、車内温度計もマイナス6℃を示しているのでそうとう冷え込んでいるのだろう。
 やがて、樹海の中の道を抜け大室山横の展望台駐車場まで来ると朝霧高原越しに天子山塊が見えてくる。
 とどうだろう?周辺の雪は消え、目指す毛無山の中腹まで真っ黒に見える。(この辺は雪が降らなかったのだろうか???)
 富士ヶ嶺の交差点を過ぎ朝霧ゴルフ場の横を通過する頃には朝の光を一杯に受けた冬枯れの長閑な田園風景が広がっていた。(嘘だろ〜ッ)
 そのまま東京農大の富士農場の脇を通って麓の集落に入って行く頃には背後に富士山の裾野もハッキリとその姿を現し始めている。(ラッキー!!)
 この道の終点横に無人有料(500円)駐車場があるので、車のナンバーを書いてお金と一緒にポスト風料金箱に入れて歩く準備に取り掛かることにした。
 流石にこんな日は誰も来ていないようだ!!。
 周辺には雪も無く中腹までは歩けそうなのでカンジキは置いて六本爪アイゼンだけザックに入れて歩き出すことにした。
 『誰も居ない山は嫌だワッ』と不安がる家内が重い足取りで歩き出すと一台の車が駐車場に入ってきた。(と途端に家内は笑顔になる。)
 ゲート横をすり抜けて林道の先に入って行くと神社があり、その先には金鉱石を砕いたという錆付いた器具が草原の中に放置されていた。(本当に金山があったようだ。)
 その後、再び林道と合流、砂防ダムの横から石積みの沢を渡川して登山道に取り付く。
 直ぐに地蔵峠方面との分岐になり右側の不動滝コースに入って行く。ここからは樹林帯の展望の無い道をひたすら上って行くことになる。
 ただ想定していた雪も無く、風もまるでブラックスポットに入ってしまったかのように全く吹かず木々の間から陽が射し込み木漏れ日ハイクの様にになってしまった。(嬉しい誤算)
 このルートは標識が良く整備されているとは聞いていたが早速一合目の看板が出て来て、二合目の標識が出てくると不動滝展望台に着く。
 ベンチが設置された狭い広場で一回目の休息を取り眼前の見事な二段の滝を鑑賞・・・その上の稜線上には青空が広がって新雪の峰が白く輝いている。
 そんな私達の横を先程駐車場に入ってきた車の人だろう、若者がTシャツにザックを背負いカンジキをくくりつけて先を急いで行った。
 家内が『これで雪があってもあの人が道を作ってくれるワ』と俄然元気になる。
 その後も雪の無い道を歩き四合目付近から少しづつ雪が目立つようになってきた。
 五合目になると懐かしいホウロウの看板がありマツダランプと宣伝が書いてあった。(まだこんな代物が残っていたのか?とチョッと嬉しくなってしまう。)
 この辺りから道は完全に雪道になるのだが、昨日は湿った雪だったのだろう夜に気温が下がって硬く締まっていて歩き易い。
 頭上の青空は更に広がって梢越しに駿河湾が光っているのまで見えてきている。(これはもしかして・・・・とその時は期待したのだが・・・・。)
 しかしこのルートは傾斜が結構キツイ!!おまけに雪で隠れているが所々岩がゴロゴロしているようで足を取られる。
 木の枝に掴まりながらの行軍はそれなりに時間を費やしてしまうようで時計の針がドンドン進んで行ってしまう。
 ここまで来ると山頂からの展望を期待して気が焦るのだが・・八合目を過ぎる頃に突然上空を黒い雲が覆い出し雪が降り始めてしまった。(ガックリ)
 稜線に辿り着くと案の定強い北西の風が音を立てて木々の間を吹きぬけて行く。
 当然、西側の南アルプス方面は雲の中で何も見ることは出来ない。(これは想像していたことで諦めは付く。)
 稜線の道は積雪30cm位か?それでも先行者が居るので苦も無く進めたがヤハリ寒い!!その若者は他方面へ抜けたものとばかり思っていたら防寒具をシッカリ着込み
 アイゼンを着けて下山してくるのとすれ違って行った。<山頂は近いのだろう。>
 視界の無い木々の間の稜線を15分も歩くと一寸した広場の山頂にたどり着くことが出来た。
 ここも北西を木々に囲まれていたので風除けになって然程強い風雪にさらされる事はなかったのだが、何しろ展望は無く流石に標高が2000m近いので寒い!!
 一応、何時もの記念撮影をして私達もアイゼンを着けてから下山することにする。
 『折角来たのに展望の山も台無しネ。』と家内は少々不満気で未練はあるようだが・・・・・その内また来よう!となだめて来た道を引き返すことにした。
 稜線を外れれば風の音も止み又静かな山歩きに戻り、七合目を通過する頃には再び上空の雲が切れて陽射しも帰ってくる??先程まで雪雲に覆われていた山頂の上にも
 青空が広がり始めていてあの山頂での雪は、あれは何だったのだろうと家内と顔を見合わせ苦笑いをしてしまった。
 どうも昨年後半から私達が山頂に立つと曇るという変なジンクスが出来上がってしまったようだ。
 五合目でアイゼンを外しぬかるみはじめた道を下ってくると正面の富士山も頂きに多少雲を纏ってはいるもののその美しい裾野を見せてくれている。
 落ち葉の乾いた道まで戻ってくれば斜度も緩くなり今日の行程も終盤に差し掛かってきた。
 午後の陽が南の山陰に姿を隠し急に気温も下がって来た様に感じる頃駐車場まで戻って来た。(この急坂と雪道で流石に少し足に疲れが来ているようだ。)
 装備を解いて車を農場の横まで走らせると明るい陽射しを受けた牧草地で羊達がノンビリと草を食んでいる光景に出くわした。(今日一日の激しい変化を感じる。)
 その背景に青空をバックにした富士山が美しい!!
 帰り道、大室山横の展望台駐車場に車を止めて軽食を取りながら一休みする私達の目の前に雲ひとつ無く空に聳える天子山塊、毛無山があざ笑うようにこちらを見ているようだ。(笑い)
 今朝方の凍結路も解けて順調に車は走れ、三連休でも人出は少なかったのだろう河口湖、山中湖を通過して道志道から帰宅した。
 途中の山々もそれ程雪は無いように思う。(一応、偵察を兼ねて出て来た積りなので・・・・・)
 車の中で聞いた交通情報では中央道は小淵沢から先が雪の為通行止めになっているようだ。
 帰宅後、風呂で体を温めて夕食時にワインを飲むと急に瞼が重くなり私は二階の寝室へ・・・・雨戸がガタガタと音を立てまだ外は風が収まっていないのかナッと思う頃には
 夢の中に吸い込まれて行ったようだ。
 
 
         ---  新年を迎えての初登山はこうして変化に富んだ幕開けとなったようだ。 ---
                     今年も又どんな山々に出会えるのだろう。
                       兎も角、新年のスタートに乾杯!!